阿部俊子文部科学相は15日、報道各社のインタビューに応じ、公立学校教員の長時間労働を是正する仕組みとして、自治体ごとに教員の勤務時間を公表する制度を構築すると明らかにした。校長の人事評価に働き方改革の視点を導入する方針も示した。主なやりとりは次の通り。
―教員の働き方改革にどう取り組むか。
長時間勤務を縮減するメカニズムの構築に向け、自治体ごとの在校時間の公表を制度化する。各学校の取り組みを促進するため、働き方改革に関わっているという観点を校長の人事評価に導入してマネジメント力を強化する。優れた人材を確保するためには、学校の運営体制充実と、教師の処遇改善を一体的に進めることが不可欠だ。
―いじめや不登校にどう対処するか。
いじめの重大事態の件数、不登校の児童生徒数は過去最多で極めて憂慮すべき状況だ。不登校児童生徒の学びの場の充実を進めていかなければならない。いじめの未然防止や解消、相談体制の強化を図る。各学校や教育委員会の取り組みが一層促進されるよう支援に努める。
―研究力を支える経費や資金の引き上げは。
研究力強化には(国立大学への)運営費交付金と、科学研究費などの競争的研究費が必要だ。日本の大学や公的機関で研究に使用された金額の推移を見ると、その伸びは諸外国と比べ相対的に小さい。十分な予算の確保が必要だ。