阿部俊子文部科学相は25日、標準授業時数を柔軟化するなど、学校の裁量を拡大する方向で、学習指導要領の全面改定を中央教育審議会に諮問した。児童生徒のメディアリテラシーなど情報活用能力の向上策の検討も求めた。審議会は2026年中の答申を目指し、議論する。

指導要領は約10年ごとに見直され、現行要領は小中が17年に、高校が18年に改定された。新要領に基づく授業は28年度から順次開始する見込み。

諮問は、多様な背景を持つ子どもを包摂するため、各学校や教育委員会の創意工夫を引き出す「柔軟な教育課程」が必要と指摘。各教科の標準授業時数や授業時間、学習内容の学年区分について、学校現場の裁量を広げる方向で検討するよう求めた。

その上で、教員の勤務環境を考慮し、「現在以上に増加させないことを前提に、年間の標準総授業時数の在り方を考えるべきだ」と強調。「GIGAスクール構想」で1人1台配備した端末などデジタル学習基盤の活用を念頭に、教科書の内容や分量を見直すべきだとした。