
東京都教育委員会(都庁舎)
都立高校の魅力化に取り組む東京都教育委員会が、人工知能(AI)やデータサイエンスなど高度なデジタル技術を学べる高校の新設に向けて検討していることが28日、分かった。急速に成長するAIやデジタル分野に強い人材を輩出する狙いがある。政府が12月中の成立を目指す国の2025年度補正予算案の活用も視野に、検討を進めるとみられる。
都内では、私立高校や通信制高校に進学する生徒が増加する一方、都立高への進学希望者が減少傾向にあることが課題となっている。このため、都教委は10月、都立高校の魅力向上を図るため、有識者による懇談会を立ち上げた。
懇談会の論点は、グローバル化やデジタル化に対応できる人材づくりや、多様な生徒を支える仕組みづくりなど。今後、懇談会の下に専門部会も設置し、専門高校の機能強化や不登校経験のある生徒の学習環境整備を含め議論を本格化させる。
新たな都立高では、AIやデータサイエンス、統計学など多様な教科をそろえ、大学や新興企業、産業団体と連携しながら授業を行うことを想定。将来的には、AIやデジタル技術を生かし、社会課題の解決や、地域や産業の壁を越えた新しい価値を創造できる人材の育成を目指す。
一方、都教委はグローバル教育も強化する方針。国際的な大学入学資格「国際バカロレア」や、国際金融を学ぶことができる高校の新設を視野に検討している。


