文部科学省は2025年度、不登校の小中学生向けに校内の学習環境を整備する市町村の支援を強化する。空き教室を活用した「校内教育支援センター」に学習支援員を新たに配置する費用を補助する。学校やクラスに入りづらい子どもの居場所を確保し、不登校の未然防止や不登校の児童生徒の登校復帰につなげる。
校内教育支援センターは「校内フリースクール」とも呼ばれ、市町村などが小中学校の空き教室などに設置。学校には行けるものの、クラスに入りづらい子どもの学習を支援員が日常的にサポートするとともに、スクールカウンセラーらと連携しながら相談に応じる。文科省によると、今年7月時点で全国の公立小中学校の46.1%で整備されている。
文科省は25年度、校内センターの設置を加速するため、市町村が支援員を配置するのに必要な費用を補助する。国と都道府県が3分の1ずつ負担する。補助の対象は約3000校を見込み、25年度予算概算要求に関連経費を計上した。
支援員は教員免許を持つ人らが担う。支援員がいない学校では、教職員が空き時間に対応しているケースもある。不登校の児童生徒が増え続ける中、文科省は支援に当たるスタッフの充実を図る考えだ。