皆さん、こんにちは。
今、原稿を書いていたら、大きな鈴の音が聞こえてきました。この音が大量に聞こえる時間帯は1日の中で2回です。

都市部にお住いの皆さん、いつかわかりますか??

正解は朝と夕方です。
大きな鈴の音は、「クマ除けの鈴」の音です。小学生がランドセルに必ずつけて登下校するので、朝と夕方は町中に大量の鈴の音が響き渡ります。時計を見なくても、鈴の音でだいたい時間が分かってしまうのは興味深いですね。

私は京都で生まれ育ち、15年ほど前に石川に移り住みましたが、いまだに日々様々な発見がありオモシロいです。

このオモシロさはどうやって生み出されているのでしょう?

「違い」があるからオモシロい。
「違い」があることのありがたさを、日々痛感しています。

なぜこのような話を最初にしたかというと、最近学校の仕事に加えて、社会人向けのリカレント教育や企業研修などのお仕事をさせていただく機会をたくさんいただくからです。

今日も企業研修の打ち合わせで、ある鉄工所に行かせていただきました。見たこともない巨大なネジやナットに出迎えられ、大きな鉄の塊がキレイに削られていく過程を見学させていただき、大変興味深かったです。オモシロかった!

ところで、企業で働いたことがなく教員経験しかない私に、どんな研修のオファーが来るでしょうか?

様々なオファーがあります。例えば、

・どうすれば社員の学ぶ意欲を高めることができるのか?
・どうすれば会社を学びあう集団にすることができるのか?
・社員の学び、学びあいをどう支えていけばよいのか?
・どうすれば世代を超えて社員の良さを引き出しあい、協働することができるのか?

のような課題感からオファーをいただくことが多いです。

実際に書店に赴けば、「社会人の学び直し」等の本がずらりと並んでおり「社会人の学び」に対する関心の高さがうかがえます。
一方【社会人の学びに関する意識調査2022】(ベネッセコーポレーション)によると、「学びたくない」と思う社会人が52.8%もいるという結果がでており、様々な企業が先ほど述べたような課題感を持っていると言えそうです。

この課題感の「社員」を、「子どもたち」や「先生たち」に変えると、学校の課題感にもなります。
先ほど企業と学校の「違い」がオモシロいという話をしましたが、驚くほどたくさんの「同じ」もあります。
同じ人間同士、学校も企業も人間が創った組織です。共通することが多いのは当たり前かもしれません。

前回も書きましたが「子どもの学びと大人の学びは相似形」
そして「先生たちの学びあいと企業の人たちの学びあいも相似形
ですので、教員経験しかない私でも企業研修ができるのです。

ということは、学校での「楽しい学びあい」や「学びあいの支援」はもっと幅広く活かせるのではないでしょうか?
皆さんであれば、どう活かしますか?

毎度のこと、皆さんのご意見をぜひお聞きしたいですが、すぐには聞けないので、私が考えていることを少し紹介させてください。

これから子どもたちの数は激減していきます。
しかし先ほど述べたように「社会人の学び」に対する関心は高まっています。

では「学校を社会人の学び直しの場にする」のはどうでしょうか?
どんなメリットがあるでしょうか?

・子どもたちが隣で大人が学ぶ姿を見ることでいい影響を受ける
・子どもたちが学校の中にいながら、色んな社会(人)に触れることができる
・学びに来た社会人から学費をとれば学校の財源にもなりうる
・学びに来た社会人も子どもたちと共に学ぶことで学びに対するモチベーションが上がる
・子どもたちが少なくなっても、学校で学びたい人がその地域にいる限り学校を統廃合しなくてもよい
・先生方の授業に対するモチベーションも今以上に上がる

などなど、少し考えただけでも上記のようなメリットが考えられます。
社会を学校に取り込んでいるので、これこそ本当に「社会に開かれた教育課程」と言えるかもしれません。

ではデメリットはないのでしょうか?

まず頭にあがるのは「外部の人を学校の中に入れるリスク」です。
これに関しては大学などのように「身分証明書(生徒証明書)」を発行し、これを持っている人だけが学校に入ることができ、学べるようにすればよいのではないでしょうか?

今、総合的な探究の時間でどの学校もフィールドワークなどを通して校外で様々な人たちと接点を持っています。そのリスクと、学びたい外部の人を学校の中に入れるリスクに違いはあるのでしょうか?またリスクがあるのであれば、そのリスクに対してどのようなルールをつくればいいか、生徒たちを含めて皆で考えるのも学びにつながるでしょう。

その他、学び直したいが時間的な制約があり、学校に通う余裕はないという意見もあるかと思います。これも、例えば単位制を導入し特定の授業のみ履修するという形をとれば実現可能性は高まるのではないでしょうか?授業計画や時間割を早期に開示するなど工夫をしていけばより受講しやすくなります。

このように考えると、「学校」に秘めたる可能性を感じないでしょうか?
様々な人たちが楽しく学びあう学び舎。これが私の今の一つの夢です。

ぜひ皆さんと「学校の秘めたる可能性」について語り合いたいです。皆さんの意見・考えを聞かせてください。お待ちしております。

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https://secondtanoshiigakko.wixsite.com/mysite

前田健志

(同)楽しい学校コンサルタントSecond 代表
一般社団法人第3職員室 理事
福井大学教職大学院 コーディネートリサーチャー
ベネッセ教育イノベーションセンター 客員研究員

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