記録的な大雨に見舞われた石川県・能登半島の輪島市で26日、床上浸水した2校を除く小中学校10校で臨時休校が明け、授業が再開された。能登半島地震で被災した6小学校が入る同市河井町の合同仮設校舎では、児童の明るい声が屋外まで響いた。同市では依然として安否不明者が複数おり、警察や消防は同日も捜索を続けた。

合同仮設校舎に登校した河井小2年の垣内祐来君(7)は「久しぶりの学校でわくわくした。体育が一番楽しかった」と興奮した様子。自宅は浸水を免れたが「家の近くで川の水が上がってきて怖かった」と振り返る。母朋美さん(36)は「片付けや仕事のことを考えると、親も動きやすくなって助かる」と学校再開に笑顔を見せた。

河井小などの校長を務める六田茂行さん(58)は「元気な表情を見てほっとした。同じ経験をした仲間としてお互いを思いやり、前に進んでほしい」と児童らの成長を願った。

県によると、26日午後4時時点で、輪島市を中心に約4660戸で断水が続き、停電は約1300戸に上る。道路寸断による孤立集落は解消が進み、3地区4カ所で42人となった。避難所は輪島、珠洲、能登の3市町で26カ所開設され、437人が身を寄せている。

一方、馳浩知事は26日、県庁で松村祥史防災担当相と会い、大雨被害について、早期の激甚災害指定を要請した。また、この後の県の会議で、希望する住民を対象に、来週初めにも旅館・ホテルなどへの2次避難を開始する考えを示した。