うちの子は小学4年生になったのですが、中学受験を考えている友だちが進学塾に通い始めたそうです。我が家も、そろそろ校外学習を検討しなければと思っていますが、いつから始めるとよいでしょうか。その際、塾や通信教育、家庭教師などによって、学習効果に差は出るのでしょうか。

(質問者:東京都/小4男子・母)

A中学受験対策は、小学校4年生から、本人の適性に応じて選択を

発達段階を踏まえると、小学3年生までの学びは、算数で実物を見たり、手作業をしたりすることで空間図形を理解するなど、ある程度、体で覚える学び方がよいと思います。しかし、4年生以降は思考ベースで学んでいく時期です。
中学受験用の教材は、子どもの知的欲求を満たすような概念的な学習ができるように作成されています。もし、学校の授業だけでは物足りない場合は、4年生頃から校外学習を取り入れるとよいでしょう。子どもの性格や個性に依るところも大きいですが、中学受験対策を開始する時期としては、小学4年生からがベストだと思います。

塾や通信教育など、どの学習手段がよいかは、お子さんの学習スタイルや、友だちの様子などによって異なります。じっくりマイペースで勉強するタイプの場合は「通信教育」が合っているでしょうし、「塾」に通って周囲と競争させることで伸びるタイプの子どももいます。
子どもは友だちと同じ行動を取りたがることも多いですから、例えば、仲のよい友だちと一緒に近くの塾に行きながら、通信教育を併用するやり方が一案です。4年生ですと、塾は週に2、3回程度ですから、塾のない日は通信教育の教材に取り組ませるといった方法です。

家庭教師に依頼する場合は、教師が一方的に教え込む形ではなく、「これはどう思う?」などと、対話をしながら進めるような指導形式を採る教師がお勧めです。「この問題はこう解く」といった汎用性の低い解き方を教わるのではなく、「こういう場合はどうすればよいのか?」と考えながら学ぶ癖をつけることが、この時期には重要です。そうしないと、パターンでは解けない、その場で考えさせる問題が出た時に対応できません。

多人数制の塾の場合は、そうした個別指導は難しいため、塾と家庭教師の併用が理想ですが、かなりの費用がかかります。4年生くらいまでなら、保護者の方が家庭教師の役割を担うことも可能です。また、家庭での普段の会話を通して、考えさせたり、気づかせたりする習慣をつけることも重要です。考える癖をつけておけば、中学受験に限らず、将来にわたって必要な力を身につけることができます。