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  • 【誌面連動】『VIEW21』教育委員会版 2020年度 Vol.3

<フロントランナーに聞く 教育のnext>
学校の最上位の目的は、学習権の保障。すべての子が自分らしく学べる場づくりを
~大阪市立大空小学校 初代校長 木村泰子

2021/07/12 09:00

予測困難な社会の中、教育の最先端で活躍する方が次代の教育のあり方について語る本誌連載「フロントランナーに聞く 教育のnext」。第2回は「みんながつくる みんなの学校」を合言葉に、「すべての子どもの学習権を保障する」学校づくりに初代校長として情熱を注がれた木村泰子先生です。

本誌記事

木村先生からは、次代の教育について、次のキーワードが示されました。

●キーワード1:学力は、目的ではなく「結果」
●キーワード2:子どもを育むのは子ども
●キーワード3:「教えるプロ」から「学びのプロ」に
●キーワード4:社会を築く一員という自覚を育む

詳しくは、本誌記事をご覧ください。

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インタビュー動画

本誌では語り尽くせなかったお話を動画(約9分)でご視聴いただけます。
①すべての子どもの学習権を保障する学校
②学力は、目的ではなく「結果」
③「主体的・対話的で深い学び」を実践するために必要なこと
④主体的な子どもを育てる学校教育とは?

ご質問コーナー

読者の先生方からのご質問に、お答えいただきました。
※すべてのご質問にはお答えできておりません。ご了承ください。

公立校では、他校との思い切った違いを打ち出していくことは難しいのではないかと思うのですが、そうした課題をどのようにクリアされたのでしょうか? 公立校は異動も多いので、教員の共通理解を図るための意識改革なども含めて教えてください。(岐阜県・小学校教諭)

同調圧力は感じていましたが、校長の責任はたった1つ。「すべての子どもの学習権を保障する」学校をつくることです。それは公立校の最上位の目的です。毎年異動する教職員も、その最上位の目的を合意形成するところからスタートします。目的がブレなければ、どんな手段でも構いません。

一般的な公立校ではできないけれど、新設の大空小学校だから実現できたことがあるように思います。それは、公立校の課題でもあるかもしれません。何をてこ入れする必要があるのでしょうか?(山口県・小学校教諭)

公教育の最上位の目的である「すべての子どもの学習権を保障する」を言語化し、全教職員で十分に対話をして納得し合うところからスタートすることです。手段が目的化してしまっている時は、お互いに自浄作用を高め合い、常にやり直しました。目的と手段を混同していないか、お茶を飲みながら気軽に雑談できる職員室をつくる「自分」になることです。

大空小学校における教育方針や体制は大変素晴らしいと思いました。進学先となる中学校との連携は、どのように図っているのかが気になりました。(長崎県・教育委員会)

何よりも日常の教職員同士のつながりを大事にして、連携(give&take)から融合(win-win)の発想に変えました。雑談の場を持ったり、一緒にプレーできる楽しい企画をつくったり、中学校の授業を参観に行ったり、中学校の校長や教員が小学校で授業をしたりなど、大空小学校独自のカリキュラムをつくっていました。中学校に行きづらくなった子どもがいた場合には、お互いにできることを考え、小学校でリスタートするきっかけをつくったこともありました。立場やプライドよりも、困っている子どもが困らなくなる手段を、常に子どもを主語に対話をしながら、できることを行動に変えていきました。

教師は、子ども一人ひとりを大事にして教育をしています。しているつもりです。でも、大空小学校との違いは、何なのでしょうか?(岐阜県 教育専門官)

「あなたの子どもは何人ですか?」と問うと、大空小学校の教職員は全児童の人数を答えます。大空小学校では担任制度を全廃し、担当制に変えました。子どもを主語にして言い換えると、学校内の大人はみんな自分の味方です。「助けて」と言える大人を子どもが選べる多様な空気が、大空小学校には充満しています。子どもを主語にした学校をつくるために、教員に不可欠な力は「人の力を活用する力」です。職員室は、誰もが弱みを出し合える「安全基地」であることを常に確認し合っていました。

明日も元気に学校に来るということと、「全国学力・学習状況調査」や教育委員会との兼ね合いに、どのように対応すればよいのでしょうか?(秋田県・小学校教諭)

教育委員会などの指示を守ることが学校の使命ではありません。自校の子どもにとって必要なことをやればよいのです。子どもの事実に始まり、子どもの事実に返す営みが、学校の主体性です。

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