- 学校教育関係者全体向け
【連載】楽しい学び合い 第18回
「忙しすぎる……。どうしよう? 働き方改革って、どうすればうまくいくの?」
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志
2023/02/03 09:30
皆さん、こんにちは……。
従来の業務に加えて、事務所の引っ越し作業もあり、忙しすぎて、少しくたばり気味の前田です(笑)。
先生方も、3学期が始まり、年度末も近づいて、行事やら発表会やら入試関係業務やらで、忙しい日々を過ごされているのではないかなと思います(子どもたちもですね(笑))。
ただ、「忙しい」と一言で言っても、2種類ありませんか?
忙しいけど充実している「よい忙しさ(充実感のある多忙感)」と、充実感のない「よくない忙しさ(徒労感)」。
同じ「忙しい」でも、全然違いますよね👍(ヒマだとそれはそれで退屈ですし(笑))。
皆さんの忙しさは、「よい忙しさ(充実感のある多忙感)」ですか? それとも「よくない忙しさ(徒労感)」ですか?」
みなさんの答え、気になりますね~。
(もちろん、聞くタイミングによっても、答えは変わってくると思います)。
「よい忙しさ(充実感のある多忙感)」であれば、働き方改革をする必要がないかもしれませんね👍。
(ヒマになるとモチベーションが下がる人もいますし(僕ですね(笑)マグロみたい(笑))。
でも、「よくない忙しさ(徒労感)」であれば、対策を考えないといけませんね
(なので、「どちらの忙しさか?」を全職員に定期的に聴いた方がよいですね👍)。
働き方改革で、労働時間が管理されているところが多いと思いますが、「『早く帰れ』と言われても、そもそも業務量が減ってないのに帰れないよ~」とか、「結局家に持ち帰って仕事してるよ~(´;ω;`)」という先生方も多いのではないでしょうか?
前にも書いたかもしれませんが、「不満」とか「不安」とか「不便」って、探究のよい材料です♬。
そう考えると、働き方改革って、まさに「大人の探究」ですね!
「探究」の手法で、問題解決に向けて進んでいけばよいわけです(生徒と同じですね💛)。
では、まずは“課題設定”から👍。
例えば、こんな課題はいかがでしょうか。
「何が『よくない忙しさ(徒労感)』を生み出しているのか?」 「『よい忙しさ(充実感のある多忙感)』と『よくない忙しさ(徒労感)』の差って何?」
とか、
「人手が足りないなど、行政的な課題以外に問題点はないのだろうか?」
とか……。
僕の場合、「やりたいこと・目的に近づいていること(ex.子どもや先生たちに直接接する仕事)」の比率がめちゃくちゃ下がって、「やらねばならぬこと(ex.事務手続きなど(笑))」の比率が大半を占めると、徒労感が増して精神的によくない状態になります……☠。
でも、どの仕事でも、「やらねばならぬこと」があるのはあたり前なので、僕だったら……。
「『やらねばならぬこと』の比率がどれくらいになると徒労感が出てくるのか?」
「『やらねばならぬこと』をどうしたら少しでも楽しめるか? どうしたら効率的にできるのか? 比率を下げられるのか?」
「その『やらねばならぬこと』は、本当に『やらねばならぬこと』なのか? 違うなら、それをどうやったら周りに共感してもらえるのか?」
そうした「問い」や「課題設定」をしますかね👍。
皆さんの答えが気になる~💛。
ほんとに多様な意見が出てきそう(ワクワク!)。
同僚の皆さんと、これらをテーマに対話すると、組織の本質的な課題も見えてくるかもしれませんね♬。
もちろん、行政的な課題もありますが、行政的なアプローチだけが解決方法ではありません。
だって、同じ行政的な仕組みの中で働き方改革がうまくいっている学校の例もありますよね💛。
おっ、“情報収集”のフェーズに入ってきました(無理やり(笑))。
自分の頭の中だけで考えていても、なかなか活路を見いだせないことって多いですよね……。
だから探究においても、“情報収集”って大事なんですよ👍。
見渡せばいろんな情報(ヒント)がゴロゴロ転がっている……。
だって働き方改革って、ほぼすべての社会人・組織の共通課題ですから(笑)。
では、形式的ではなく、本当の意味で働き方改革が進んでいる学校(多くの職員が「よい忙しさ(充実感のある多忙感)」を感じている学校)の共通点って、何なんでしょう?
ぜひ、情報収集をしながら、この「問い」を考えていただければと思います♬。
いろいろ答えはあると思いますが、僕の今のところの答えは、「先ほど例で挙げた課題について、“職員間でよく対話されている”こと」です。
何の事例でもそうですが、ほかの“うまくいった事例の手法”だけを取り入れても、うまくいかないことって多いですよね💦。
あたり前ですが、それぞれの職場の構成員も違うし、状況や抱えている課題も少しずつ違っている……。
それを無視して導入してもうまくいくはずがない……。
それって生徒の探究で、先生たちがよく子どもたちにツッコんでおられることじゃないでしょうか?(笑)
だから探究において、“整理・分析”も大事なんですよね💛。
「今の自分たちの職場はどんな状況か? 職場の先生たちは今の働き方をどう感じているのか? よい忙しさなのか? よくない忙しさを感じている人が多いなら、何がそうさせているのか?」などの課題を踏まえて、収集した情報を吟味して、自分たちの職場に合ったアプローチ方法を考えていく必要があります♬。
そして、少しアプローチ(実践)してみる(“まとめ・表現”)。
また、課題やアプローチ(実践)を“振り返って”、「うまくいかないのはなぜか? 何が壁になっているのか? 少しうまくいったが、本当にこれでいいのか? もっとほかによい方法はないのか? そもそも設定した課題は、根本的な課題なのか?」などを職場の皆さんで吟味して、課題をアップデートしていく(“新たな課題設定”)。
そうやって先生たちが探究している背中を見せることって、子どもたちにめちゃくちゃよい影響与えるって、個人的には思っています💛。
この世に存在するかどうか分かりませんが、何の問題もない学校より、困難な問題があっても、それに立ち向かっている先生たちがいる学校の方が、子どもたちにとって、学びが多いかもしれませんね👍。
そう考えると、問題が少しポジティブなものに見えてきませんか?(ほんの少しかもしれませんが(笑))。
先ほども言いましたが、働き方改革はほぼすべての社会人・組織の共通の課題……。
周りに探究仲間がいっぱいいます(僕もその1人です👍)。
「俺は助けてもらわねえと生きてけねえ自信がある!!!」
超有名マンガの海賊船船長ですら、そう言っていますので、行き詰まった時は、“広い意味での同僚=共通の課題を持つ探究仲間”と会って、語り合ってみてください(今はそんな機会・教育イベントが巷にたくさんあります💛)。
精神的な負担が軽減されたり、何か新しい発見があったりするかもしれませんよ♪。
(20代の僕は、本当に学校外のイベントに幾度となく助けられました……。感謝!)
多忙化・働き方改革に関するリクエスト、たくさんいただき、ありがとうございました~。
連載も残りわずかになりましたが、できる限りリクエストにお応えしたいと思いますので、お待ちしております~♪。