うちの子は「中学2年生までの通知表の評価(いわゆる内申点)がよいので、都立高校の入試は推薦で大丈夫」と言って、3年生になっても5教科の受験勉強に身が入りません。本当に大丈夫なのでしょうか? どうすれば受験勉強に向かってくれるようになるのでしょうか?
(質問者:東京都/中3女子・母)
Aたとえ高校に合格できても、その先のためにならないことを伝える
まず、合否判定に使用される内申点の対象学年は、都道府県によって異なります。
東京都の場合は中学3年生のみですし、内申点の重みづけが学年によって異なる地域もあります。「中2までの通知表の評価がよいから安心」とは一概に言い切れません。必ず受験する都道府県の入試制度を確認しましょう。
また、推薦入試の募集人員が少なく、人気がある学校では、受験倍率が5倍、6倍となっている場合もあります。たとえ内申点が高くても、推薦入試で簡単に合格できるわけではない点に注意が必要です。したがって、推薦入試だけでなく、一般入試での受験準備も並行して行うのがセオリーです。
一般入試の受験対策は、学校での定期テスト対策を中心とした勉強だけでは通用しません。思考力・判断力・表現力を問う出題が増えており、入試問題に特化した学習が必要となります。
以上のようなことをお子さまに伝えてみてください。それでも危機感が芽生えない場合は、少し早いですが、入試の過去問題を解かせてみましょう。既に習った範囲の出題でも、普段の学習だけでは通用しないということを実感するはずです。
なお、地方の高校入試は、受験倍率が低く、競争意識が働きづらい場合もあります。しかし、たとえ受験準備をあまりせず志望校に合格できたとしても、ギリギリの学力で合格したのでは入学後に苦労することになります。さらに、高校卒業後の大学入試や就職活動は、全国規模での競争となります。
高校受験で一生懸命努力した経験は、社会に出てからも生きます。高校入試は、そうした経験をするよいチャンスなのです。保護者の方は、ぜひそのことをお子さまに伝えてほしいと思います。