高校受験に向けて、将来の目標や希望進路がまだ定まっていない子どもの学びへのモチベーションを、どうやって上げればよいのかが分かりません。夏になり、そろそろ周りも本格的に受験に向かって進んでいる時期なのですが、本人はまだ先の事だと捉えているようです。どうしたら本人のやる気に火をつけることができるでしょうか。
(質問者:北海道/中3女子・母)
A将来のことや関心のある分野について、お子さんと話し合う
将来のことや関心のある分野について、お子さんと話し合ってみましょう。一度と言わず、何度も何度も繰り返し話し合ってください。お子さんなりに、今と将来のつながりが少しずつ見えてくるはずです。すぐに学習意欲が高まらなくても、「なぜ勉強をしないといけないのか」「勉強したことが将来、どのように役立つのか」といった疑問について、子ども自身が考え、答えをイメージできるようになることが大切です。そうすれば、今勉強することの必要性にも気づき、モチベーションアップのきっかけになると思います。もし、いくら話し合っても変化が見られなければ、本の力を借りてもよいでしょう。例えば、『いますぐできる実践行動経済学』(2024年/大竹文雄/東京書籍)は、コロナ禍でなぜトイレットペーパーが品薄になったのか、最近のラグビー日本代表はなぜあんなに強くなってきたのかなどの身近な話題を基に、社会・経済の仕組みが中学生・高校生にも分かりやすく説明されており、社会や経済に関心を持つきっかけとしては良書です。その他、様々な分野の本も含めて、本は自分と社会のつながりが分かるだけでなく、子どもの世界を広げ、よりよい進路選択をする手伝いをしてくれます。新聞の書評欄で紹介されていた書籍ははずれがないですし、長きにわたり読み継がれてきた古典には、物事の理が詰まっており、たくさんの気づきを与えてくれると思います。