中学生になった娘が「友だちは皆持っている」と言って、携帯電話を欲しがります。親としては、通学が遠くなり連絡等が必要になる高校生からで十分と考えているのですが、「友だちと連絡が取れなくて、仲間外れにされる」と言って聞きません。どう説得すればよいでしょうか?
(質問者:石川県/中1女子・母)
A説得ではなく、話し合いで、親子の信頼関係を深めることが大切
まず、「説得ありき」の考え方自体をやめた方がよいでしょう。
それは保護者の方の考えを子どもに押しつけることだからです。まずは子どもの言い分をしっかりと聴いてあげてください。その上で、保護者の方の意見も伝えて、最終的にどうするのかを子どもと一緒に考える、という民主的なプロセスを踏みましょう。
保護者として考えている結論があったとしても、それを初めから前面に押し出してしまうのはよくありません。そういった姿勢を見せられた子どもは、「自分の気持ちを伝えても、交渉の余地がないから無駄だ」と諦め、自分の気持ちや考えを言わなくなってしまいます。それによって、保護者に隠れてすることが増えるかもしれませんし、その後いろいろな問題が発生しても保護者には相談しなくなってしまいます。
話し合いの結果、携帯電話を買わないことになったとしても、半年後に再び欲しくなるかもしれません。その際に、買わないと決めた時のプロセスに納得できていた子どもは、再び保護者の方にきちんと相談するでしょう。また、もし買い与えて何らかのトラブルが起きてしまった場合でも、保護者の方に隠さず相談してくると思います。
ですから、買う・買わないという結論よりも、1人の人間同士として、互いを尊重しながら民主的に話し合った経験の方が大事です。それによって親子の信頼関係を深めていくことが、長期的に見た時に何よりも大切なのです。