息子が、「足が遅いから、運動会に出たくない」と言っています。小さい頃から走るのが苦手なのは知っているのですが、苦手だからといって、学校行事に参加しないようなわがままな子どもには育てたくはないと考えています。どのような声をかければよいでしょうか。
(質問者:香川県/小3男子・母)
A無理に頑張らせず、子どもの言い分を共感的に聞くことから始める
「苦手だからって参加しないのは駄目よ。嫌でも頑張りなさい」
などと、参加を強制するようなことを言うのは避けましょう。子どもは自分の気持ちを分かってもらえないと思い、今後同様のことが起きた時に、「お説教されるだけだから、話すのをやめよう」と、自分の殻に閉じこもってしまいます。ですから、まずは共感的に聞いてあげることが重要です。
「運動会に出たくないのね。どうしてかな?」
「去年も徒競走でビリだったから、格好悪くて嫌なんだよ」
「そうだね。それは嫌になるよね」
と、子どもがためていた気持ちを吐き出せるように、たっぷり話をさせてあげましょう。すると子どもは、「お母さん・お父さんは僕の気持ちを分かってくれる」と感じて、保護者の方への信頼感が高まります。場合によっては、お子さんの方から、「やっぱり、頑張ってみようかな」と言い出すかもしれません。
そうならない場合もありますが、自分の気持ちを分かってくれている保護者の言うことには耳を傾けるようになるので、子どもの様子を見ながら、「一緒に走る練習をしてみようか」などと提案してみてはいかがでしょうか。もし、嫌がったら、強制する必要はありません。その場合は、走ることにこだわらずに、玉入れやダンスなど、お子さんが楽しくできることを勧めてみましょう。
とにかく運動させることや運動嫌いを克服させることにこだわり、無理やりスポーツ少年団などに入れる保護者の姿を見かけることがあります。しかし、運動が苦手だったり、嫌いだったりする子どもに、そうしたことを強制するのはよくありません。
公園の遊具でたくさん遊ぶことはもちろん、風船サッカーやキャッチボール、竹馬、スケートボードなど、自然と体を動かすことを楽しい遊びとしてするという方法もあります。また、読書や昆虫採集など、運動以外に本人が好きなこと・得意なこともあるはずです。そちらを応援し、より好きに、より得意にしてあげることも大事です。