全国の中高生が探究や研究の内容を発表し、意見を交換して、多様な人と学び合う「ベネッセSTEAMフェスタ」が、2022年3月に開催されました。参加126チームの中から、注目の発表内容を紹介します。

自作の絵本でプラごみ問題の改善に貢献したい

ソーシャルイノベーション部門
福島県立ふたば未来学園中学校・高校 チーム高久
絵本×プラスチック

海洋ごみが地球に与える影響について調べる中で、特にプラスチックごみ問題に関心を持ちました。普段何気なく使っているプラスチックがごみとなって、鳥や魚など、多くの生物を傷つけるとともに、食物連鎖によって私たち人間にも健康被害を及ぼしかねないという事実に驚き、現状を何とか変えたいと考えるようになりました。

まず、自分ができることとして、マイボトルを持ち歩くなど、行動を改めました。ただ、自分1人の活動では限界があります。そこで、より多くの人にプラスチックごみの問題を自分事と捉えてもらえるように、絵本で伝えようと考えました。デジタルを含めた様々な情報ツールがある中で絵本を選んだのは、読み聞かせなどを通じて感情を共有することで、親と子が一緒にごみ問題について考え、自身の行動を振り返るきっかけになると考えたからです(スライド1)。現在、「ファンタジー系」「日常系」の2つの絵本を制作中です(スライド2)。完成後は、子どもたちに読み聞かせを行い、その後の意識や行動の変化を追跡調査したいと考えています。

スライド1 読み聞かせを通して想像力や判断力、感性に働きかけ、問題意識を高めるねらいがあります。

スライド2 環境を守ることの大切さが子どもの心に届く作品を目指しています。

郷土料理「おやき」を通じて、長野の魅力を世界に発信

メイカー部門
長野日本大学高校 おやキング
羽ばたけ! 長野郷土料理「おやき」

長野県の魅力を世界に発信しようと、地域を代表する郷土料理の1つである「おやき」を海外に広める活動を行っています(スライド3)。定例会や合宿を行ったり、外部の方々にアドバイスをもらったりしながら、おやきのオリジナルレシピを開発し、試作品をつくりました。また、韓国やインドネシアからの留学生を対象に、オンライン試食会を開催。野菜ミックス、切り干し大根、つぶあん、野沢菜などの9種類のおやきを試食してもらったところ、同じアジア圏の人でも、味覚に大きな違いがあることが分かりました(スライド4)。海外の方々に好まれやすい味が分かったほか、販売時には、その国の物価を意識する必要があることなどに気づきました。

SNSによる情報発信にも力を入れています。現在は、日本語、英語、韓国語の3か国語でおやきの魅力を伝えたり、活動に協力してくれる人を募集したりしています。これからも、地域イベントでオリジナルおやきの販売などの活動を充実させながら、海外でのおやきの販売を実現させて、長野県の魅力を発信し続けていきます。

スライド3 食を通じて地域の魅力を発信する活動に取り組んでいます。

スライド4 外国人留学生へのオンライン試食会では率直な意見を聞くことができ、海外での販売に向けた気づきを得られました。

ベネッセSTEAMフェスタ事務局

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