『VIEW next』高校版　2024年度 10月号

　現行の学習指導要領が実施されて２年半が経過しましたが、学校現場では依然として授業改善について課題を感じている教師が少なくありません（図１）。中でも「主体的な学び」の実現に苦慮されている声が多く聞かれます（図２）。また、観点別学習状況の評価の観点の１つで、「主体的な学び」に深く関連する「主体的に学習に取り組む態度」の評価に高い課題感を持つ傾向も続いています（図１）。
　「主体的な学び」も「主体的に学習に取り組む態度」も、文部科学省等からそれぞれについての定義が示されているのにもかかわらず（図３）、授業中の教師の説明を聞く姿勢や発言の有無、課題の提出状況といった、性格や行動面の傾向が一時的に表出された場面を捉えて、「主体的な学びが実現できている」「主体的に学習に取り組む態度の評価は『おおむね満足できる』」などとしているケースが少なくないと、現場の先生方からも伺います（図２）。そして、そうした状況が起きている要因の１つとして、「主体的な学び」や「主体的に学習に取り組む態度」の解釈が教師によって異なることを、現場の先生方は指摘しています（図２）。
　「主体的な学び」や「主体的に学習に取り組む態度」について、教師間で共通理解を図る際に鍵を握るのが、「自己調整学習」という学びです。今号は、「自己調整学習」をひも解くことで、「主体的な学び」「主体的に学習に取り組む態度」の理解を深めていければと思います。
　『VIEW next』編集部　統括責任者　柏木　崇

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