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【連載】楽しい学び合い 第3回
どうやって子どもたちの関心や本音を引き出せばいい?~探究の伴走 part2~
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志
2022/06/10 09:00
皆さん、こんにちは!
蒸し暑くなってきましたね~。
暑くなってくると、心も開放的になりますよね~。
開放的と言えば、前回は「子どもたちの関心や本音を引き出す」ことについて、皆さんと考えました(無理やりつなぎましたよ~(笑))。
「皆さんは、職場の中で本音を話せますか?」「皆さんが気軽に本音や意見・アイデアをぶつけられる相手って、具体的に誰ですか?」と僕から問いかけ、「それはなぜ?」と考え、ファシリテーションが上手な人の共通点は何かを探りました。
ただ、どんなにファシリテーションが上手な人でも、必ずうまくいくわけではありません。
取り調べ室みたいなところでは、なかなか本音は言えないですよね。
「人」だけじゃなく、「環境」って大事!!
これが、前回のまとめでした。
ということで、恒例の質問です(ダ、ダン!)。
「皆さんが気軽に本音や意見・アイデアをぶつけやすい環境って、どんな環境ですか?」
皆さんの答えが気になりますね~。
「会議室」って答え、あったでしょうか? なかなか見かけない答えです(笑)。
「休憩室」とか「飲み会」とかはよく見かけますね。
お菓子をつまみながらとか、ご飯を食べながらの方が、よい話し合いができませんか?
それは何ででしょう??
「これ、おいし~」とか、そういった何気ない雑談がアイスブレークになって、その後、すごくよいアイデアが出てきたり、本音が出てきたりしますよね。
そう考えると「雑談」って大事!
なので、最近では、職員室で「雑談」が生まれやすい工夫(環境設計)をする学校さんが増えてきました♪
例えば、職員室のど真ん中にテーブルを設置し、お菓子を常時用意したり、STAND BARのように、立ち話がしやすいカウンターテーブルみたいなものを設置したりしている学校さんもあります。
壁一面を大きなホワイトボードにして、思いついたアイデアやつぶやきなどを自由に書くことができるスペースを設けているところもあります。そういったものが視界に入ってくるだけで、何かしらの刺激になったり、会話や新たなアイデアが生まれたり。
アメリカの某有名IT企業も、壁一面がホワイトボードになっていて、そこになされるいろんな書き込みが、いろんな商品開発のきっかけになっているみたいです。
こうやって、「どんな環境にしよう?」って考えているだけで楽しいですね♪
もちろん、環境は視覚的なものだけではありません。
音や匂いなども大事な要素です。
皆さんも、あまりに静かな環境にいて、話しにくいと思った経験ありませんか?
少々雑音がある方が話しやすかったこと、ありませんか?
そうした環境設計って、中学校や高校よりも、幼児教育や小学校の方が大切にされているように思います。
中学校・高校の教室ではあまり見かけないけど、小学校の教室にはよくあるものって何でしょう?
はるか昔の小学校時代を思い出してください(笑)。
教室には、どんなものがありましたか?
例えば、教室に生き物はいませんでしたか?
メダカ・カエル・カタツムリ・カブトムシ・カメ・金魚などなど……。
教室の外に出れば、飼育小屋でウサギやニワトリなどがいたんじゃないでしょうか?
なぜ小学校には、こんなにもいろんな生き物がいたんでしょう?
あたり前ですが、小学生は中高生よりも言語能力が低いです。
だからこそ、抽象的な「ことば」ではなく、具体的な「モノ」や「体験」がたくさんあるのだと思います。
無意識のうちにいろんな情報が飛び込んできて、「興味・関心」や「問い」を持ちやすくなるように、「学びの環境設計」の工夫がなされている場合が多いです。
言語能力が高いからといって、中学校・高校では「学びの環境設計」をする必要はないのでしょうか?
当然必要ですよね♪
何歳になっても、「環境」から受ける影響というのは大きいですから。
実際にそう考えて、中学校や高校でも、「学びの環境設計」に力を入れる学校が増えてきました。
例えば、各教科のゾーンを作って、教科の先生たちが子どもたちに刺激を与えそうなモノを収集したり、創ったり、配置したり。
グループワークがしやすいように、形が工夫された机やイスを導入する学校も、よく見かけるようになってきましたよね♪
犬や猫を飼う学校も出てきました。
なぜ、中学校や高校で犬や猫を飼っているのでしょう?
面と向かってだと生徒はなかなか本音を言えないけど、動物をなでながらだとリラックスして、ぽろっと本音をつぶやくそうです。
めっちゃ分かる~。僕は犬をなでていると気持ちが緩みっぱなしです(笑)特にパグ💛
そんな環境をつくろうと思っても、お金かかるやん……
って思った、そこの先生♪
お金をかけずに環境設計をしている学校もありますので、紹介しますね。
「ポケモンGO」のように、拡張現実(AR)を活用されている学校があります♪
例えば、生物室に入って、iPadをかざすと、古生代の生き物が画面にいっぱい現れます(笑)。
無料ソフトがあり、誰でも簡単にいろんなモノを学校中に配置できます。
子どもたちも、「今日はどんな生き物がいるんだろう!?」って、ワクワクしながら登校しそうですよね♪
ぜひ、今の学校の環境を改めて見直し、工夫できそうなところがないか、皆さんで楽しく考え、対話してみてください♪
そうした環境に触発され、子どもたちはいろんなことに関心を持ち、不思議に思ったり、「問い」を持ったりしていくんじゃないでしょうか?
どうしても学年が上がっていくと、「言葉」に頼りがちになってしまうので、「環境設計」にも目を向けていくといいんじゃないでしょうか?
ところで先ほど「問い」という言葉がチラッと出てきましたが……。
「よい問いってどんな問いなんでしょう?」
よく先生方から、「なかなか子どもたちが問いをつくれない」とか、「よい課題設定ができない」といったお悩みを聞きます。
この連載のリクエストでも、「問いづくり」関連のリクエストを複数いただいております。
なので次回は、「よい問いってどんな問い?」を皆さんと考えていけたらと思います♪
いつもたくさんリクエストをいただき、本当にありがとうございます!
これからもどんどん皆さんのリクエストに応えていきたいと思いますので、僕のネタ切れ防止のためにも、リクエストください~。お待ちしております♪