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【連載】楽しい学び合い 第9回
“どうやったら周りを巻き込める? よいチームとは? 協働の価値とは?”~part2~
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志
2022/09/09 09:30
皆さん、こんにちは!
徐々に涼しくなってきましたね~♪
いつも思うのですが、この「徐々に」っていうのが、むちゃくちゃ大事ですよね!
急激に寒くなったり、暑くなったりしたら、体が適応できないですよね(最近多いですが……)。
徐々に変化するからこそ、適応しやすいし、変化そのものも楽しめる。
四季の緩やかな移ろいを見ると、「日本に生まれてよかった~」って、僕は思います♬
(いつもと違って、今日は何か文化的な導入になった……(笑))
「徐々に」が大切なのは、チームづくりにおいても同じではないでしょうか?
前回、「どうすれば周りの人たちを巻き込めるのか?」を、私や皆さんの経験を基に考えました。
その中で、「傍観を歓迎する」ことを取り上げました。「傍観者」としての存在が許されていることで、新しい参加者の心理的ハードルも低くなり、その「傍観者」が、「楽しそうだし、次はもうちょっとガッツリかかわってみようかな」と思って、やがて中心的メンバーになっていく。
いきなりガッツリの参加を求めるのではなく、「徐々に」……。
もちろん、このほかにも、チームづくりで欠かせないことはたくさんあると思います。
今回はそれを皆さんと一緒に考えていければと思います♬
では、早速質問です!
皆さんが思う“よいチーム”とは、どんなチームですか?
知り得る中で、最もよいチームだと思うチームを具体的に挙げてみてください♬
ここで、「それは自分の職場」と答えられた読者は最高ですね!
では、ここからが本題です♬
なぜ、そのチームをよいチームだと判断したのでしょうか?
よいチームに欠かせないものって、何でしょう? 思いつく限り、その要素を挙げてみてください♬
どんな要素が出てきたでしょうか。
皆さんの答えが見たい、見たい、見た~い(´;ω;`)。
でも、見られないので、今まで全国の先生方と一緒に考えた時に出てきた要素を、ご紹介していきますね👍
この質問をすると、「お互いの得意なことを活かし合えている」「いろんな能力を持った人がいる」みたいな回答が、先生たちからよく出てきます。
確かに、大谷翔平選手という素晴らしい能力を持った人がいるにもかかわらず、エンゼルスはなかなか勝てませんし、たとえ大谷選手が9人いたとしても、それがよいチームかと言われると……(笑)。
それって学校も同じですよね♪
授業で大勢の生徒を指導するのが得意な先生もいれば、子どもたちの相談に乗るなど、個別指導が得意な先生もいます。
ほかにも、時間割を作ったり、お金の管理だったり、研究費などの資金の獲得だったり、ICTの環境整備だったり、外部交渉だったり、そういった学びの環境を設計し、下支えすることが得意な先生もいる……。
それぞれが得意なことを発揮し合えれば、その学校は非常によい学校ですよね♪
例えば、子どもたちの相談に乗るのが得意な先生が、授業を持たずに聴き役に徹してもよいわけですよね~♪ 実際、養護教諭の先生方がその役割を担っておられる場合もありますよね! ありがたや~養護教諭の先生たち……💛
一方、授業で大勢の生徒を指導するのが得意な先生は、たくさん授業を持つことで活躍してもらうのもありですね👍
何でもできるスーパーマンがいなくても、得意なことを活かし合えば、よいチームをつくれる!
それって、学校だけではなく、職場でも地域でも、どんな場でも言えることですね♡
でも……。
得意なことを活かし合うだけで、本当によいチームになれるのでしょうか?
そうではないと思います。
では、今度は野球ではなく、400メートルリレーを例に見ていきましょう♪
100メートル走が速い4人をそろえたチームが必ず勝つかというと、そういうわけではありません。
400メートルリレーの日本代表チームが世界で活躍していることが、そのことを証明してくれています。
「100メートルを速く走る」という役割をそれぞれが果たすことも大事ですが、その「役割の接続部分(バトンの受け渡し)」も非常に重要です。
どうすれば、接続(バトンの受け渡し)がうまくいくのでしょうか?
お互い、どんなふうにしてほしいのか、コミュニケーションを取ったり、協働してみたりする必要があります。
それは、学校の校務分掌や役割分担でも同じことが言えますね👍
自分の担当や分掌の仕事だけを一生懸命していても、よいチームにはならないんですよね……。
私も20代の頃、「みんなそれぞれの役割をちゃんと果たしてください!(僕はちゃんとしているのにヽ(`Д´)ノプンプン)」みたいな感じの態度でいましたが、チームとしてはうまくいきませんでした……(笑)。
「縦割り行政」のような言葉もあるくらいですから、おそらく私だけではなく、どの組織でも起こりうることですよね👍
役割分担が役割分断を生む……(しょうもないダジャレなので、無視してください)。
では、どうすればよいのでしょうか?
400メートルリレーの例と同じように、それぞれの「役割分担の隙間を埋める(接続する)」必要があります。
でも、それだと非常に抽象的で分かりにくいので、幼児教育の現場を例に、具体的に見ていきましょう♪
20~30人ほどの、可愛いくて自由奔放で、行動が予測不能な子どもたちが、同じ部屋で活発に活動し、それを2~3人の先生方が見守っている……。
よくそれだけの人数で……、すごい……っていつも思っていますが、もっとすごいことがあります。
それは先生たちのポジショニングです!
皆さんだったら、部屋のどこで子どもたちを見守りますか?
幼児教育に携わる先生たちは、散らばって、壁を背にして立ってらっしゃる場合が多いんです。
それはなぜか分かりますか?
部屋の死角がなくなるようなポジショニングなんだそうです……。なるほど~。
しかも、そのポジショニングは一定ではありません。
あたり前ですが、何かしらのアクシデントが起こり、最初のポジショニングから離れざるを得ない先生が出てきます。
そのアクシデントに対応する先生が抜けた穴を即座に埋めるようなポジショニングを、残りの先生たちは取るのです。
それって、当初の自分の役割(ポジショニング)だけに固執していたら、絶対できない動きですよね!
「役割分担の隙間をつくらないように、メンバーが全体を観ている(俯瞰している)こと」も、よいチームにするために必要な条件なのかもしれません。
再びスポーツの例になりますが、サッカーなんて、それができていないと、なかなか勝てないですよね(笑)。
ほかにも、「役割分担の隙間を埋める」方法はたくさんあると思いますし、実際にうまくいっているチームって、それを実践しているのではないでしょうか?
紙幅が尽きそうですので、ここから先は、皆さんへの宿題にしましょう(笑)。
皆さんだったら、どうやって自分のチームの役割分担の隙間を埋めますか?
みなさんのご回答、お待ちしていま~す!
https://secondtanoshiigakko.wixsite.com/mysite
(いつもたくさんリクエストをいただき、本当にありがとうございます! いつも通り、リクエストもお待ちしています~💛)