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【連載】楽しい学び合い 第19回
「最近、『学びの個別最適化』ってよく聞くけど、どうすればよいの?」
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志

2023/02/17 09:30

ようやく事務所の引っ越し業務を終え、日常の生活が戻ってきました♪。

大寒波の中、引っ越しをやり遂げてくれた業者さんには本当に感謝、感謝💛。

海外の引っ越し業者と比較してみると、日本の引っ越し業者さんのサービスって、むちゃくちゃ丁寧らしいです……(海外で引っ越ししたくない(笑))。

あたり前ですが、部屋や建物の構造・立地環境はみんなバラバラだし、運ぶモノなんてもっとバラバラ。

それなのに、それぞれの形や性質に合わせて運んでくれる……。

まさに「個別最適化」!!

 

恒例ですが、無理やり本題につなげました(笑)。

最近、「学びの個別最適化」って言葉をよく耳にするようになってきました。

実際、リクエストでも、「学びの個別最適化ってどうすればよいの?」というお悩みをいただきました💛(ありがとうございます)。

 

僕も最初聞いた時……、

「そもそも誰が個別最適化するの? 誰が個別最適だって判断するの?」
「具体的に学びの何を個別最適化するの?」
「何で『個別最適化』が叫ばれるようになったの?」

 

などなど、いっぱい「問い(謎?)」が溢れてきました(笑)。

 

では一緒に考えていきましょう♪。

まずはいつものように、ご自分の経験の中から……。

皆さんが人生の中で、「あ~これ、自分にとって個別最適な学びだったな~」と思った学びって、どんな学びですか?

 

皆さんの答えが聞きたい~。

ほんとに多様な答えが出てきているのではないでしょうか?(ワクワク♬)。

実際に、あるイベントでこの質問をした際、

「小学生の頃、お姉ちゃんが持っていた教科書の内容に興味が湧き、まだ習っていない内容だったけど、読み進めた」

「大学時代、食事の席で、数時間にわたり教授に質問を投げかけていると、新たな『問い』が次々に出てきた」

「大学時代、自分はどう生きていきたいかを悩んでいた時、人に会って話を聞いたり、多くの書籍を読んだり、試行錯誤した」

などの答えが出てきました。

皆さんの答えに、共通項ってあるんでしょうか?

 

いくつかあるのではないかなと僕は思います(違っていたらごめんなさい……💦)。

まずは「①学習者(子ども)が主体的(受身ではない)」ということ。

「個別最適な学び」には子どもの主体性が欠かせない💛。

AIドリルの活用などで、知識・技能の習得のための個別最適化をしようとしても、主体的でなければ、それは「個別最適な学び」とは言えないですよね👍

そう考えると、「学びの個別最適化」って、新しく登場したものではなく、今までの連載でも書いてきたように、昔から変わらず教育で大事にされてきた、個々の「主体性」「学ぶ意欲」を大事にしよう、というのが根本にあるので、そんなに身構える必要ってないんじゃないでしょうか(笑)。

 

また、興味・関心は人それぞれなので、「これ面白いな~」と自分は思っても、子どもたちが「面白い!」と関心を持ってくれるとは限りません。

そういった意味で、「どうやったら子どもたちが関心を持つものに出合えるのか?」という、先生たちが今までも実践してきた「問い」や取り組みが、子どもたちの「学びの個別最適化」につながっているって言えますね👍。

では、「主体性」以外に「学びの個別最適化」に必要な要素はないのでしょうか?

 

僕は「②他者とのかかわり」が欠かせないのではないかと思っています♬。

先ほどの事例を見ても、何かしら他者から影響を受け、新たな関心や疑問が湧いたり、視野が広がったり……(学びの「広がり」)。

「個別最適化」って言うと、“個人の学び”っていうイメージがありますが、自分1人でなければ「学びの個別最適化」を実現することはできないのでしょうか?

僕が一番好きな学びは、他者との対話によって、自分の頭の中にいろんな視点とか新たな疑問とかが生まれて、帰りの車の中や事務所のデスクで1人で振り返りながら頭の中を整理したり、再度「本当にそう言えるか?」などと「問い」をぶつけて深めたりする学びです♬。

そういった「集団(「広がり」)と個(「深まり」)の往還」が、「個別最適な学び」に欠かせないのではないでしょうか?

そういった意味でも、AIドリルだけでは「個別最適な学び」は無理ですね(笑)。

そうは言っても、子どもたち一人ひとりの「個別最適な学び」の環境を先生だけで創っていくのは大変じゃないですか?

 

って声が、この文章を書いていると聞こえてきたので、書かせていただきました(笑)。

その通りで、先生だけだと無理だと思います👍。

というか、最初にも書いたように、そもそも学びを最適化するのは学習者(子ども)自身ですよね……。だって「主体性」が欠かせないんですから💛。

「どうやったら自分の学びを最適化できるのか?」と、子どもたちが考える機会が必要ですよね♪。

先生たちにとっては、子どもたちがそれを考える機会・時間(ゆとり・余白)を創るのが、大事な役割なのではないでしょうか?。

「○○しなさい、□□もしなさい」とタスクに追い回されていては、子どもたちに考える余裕は生まれません。

「なんで○○や□□をしなきゃいけないんだろう? 目的は何だろう? その目的で本当によいんだろうか? 目的に沿ったもっとよい方法はないかな?」などと、この連載で考えてきたみたいに、子どもたちも考える機会が必要ですよね👍。

 

また、以前にもお聞きしたと思いますが、再度お聞きしますね~。

皆さんが主体的に学ぼうとか、学ぶ意欲が湧いた時って、どんな時・どんな環境でしたか?

 

この答えは、おそらく学校の中のシーンだけではないはずです。

ということは、学校の中の教育活動だけでなく、どれだけ学校の外につないでいけるか、学校の外でどれだけいろんな経験をさせてあげられるかも、大事になってくると思います💛。

子どもたちが、どんどん学校の外の活動に顔を出すような環境設計をしていく、外部と連携したり、外部に任せたりしていく……。

それも「学びの個別最適化」に必要なことではないでしょうか?

その点でも、別に目新しいことはないですよね(笑)。

新学習指導要領の「社会に開かれた教育課程」などを受けて、以前に比べてどんどん社会に開いていこう、社会とつながっていこうとされる学校が増えてきています♬。

ということは、「学びの個別最適化」って、今まで連載で取り上げてきたような今日の教育改革の中身を、別の言い方・別の視点から表現しただけ、ってことですね👍。

 

紙面も少なくなってきました💦。

ぜひぜひ先生たちで、「自分にとっての個別最適な学びとはどんな学びか?」について、楽しく対話してみてください~。

その対話が、学校をよい方向へ変えていくんじゃないでしょうか👍。

 

改めてリクエストありがとうございました~💛。

連載が続く限り、リクエストにどんどん答えていきたいと思いますので、お待ちしております~♪。

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