うちの子は、部活動の先輩から話を聞いて、「通信制高校に通いたい」と言い始めました。親としては、将来に少し不安も感じるのですが、最近の通信制高校のことはよく知りません。本人は通信制高校のよい面ばかりを見ているようですが、実際にはどのような教育が行われ、どんな特徴やメリットがあるのでしょうか?

(質問者:奈良県/中2女子・母)

A自由度が高く、興味・関心に沿って学習を深められるが、主体的な学習態度が必要

通信制とは、基本的には学校に登校せずに、自宅で授業を受ける学校教育課程のことです。授業は教材や動画などを使って行われ、テストやレポートを受験・提出することで単位を取得します。学校に登校する日もありますが、その頻度は高校によって異なります。
元々は、経済的な理由などで全日制の高校に通えない生徒を対象とした制度であるため、働きながらでも学習できるよう、時間の融通が利くほか、カリキュラムの自由度が高い点が特徴です。例えば、プログラミングを勉強する、大学教員にインタビューした結果をレポートにまとめるといった学習で単位を取れる学校があります。そうした自分の興味・関心が単位の取得につながる点や、自分のペースで学習を進められる点が通信制の魅力です。

一方、全日制高校との相性がよくない生徒の在籍率が高く、登校日も限られているため、クラスメートや先生と一緒にいる時間は少ないです。また、教育カリキュラムの内容や質が学校によって大きく異なります。自分で主体的に学ぶ姿勢が身についていないと、学力が伸び悩むかもしれません。

近年、通信制の高校数と生徒数は増加傾向にあり、高校生全体のうち、約15人に1人が通信制高校に通っている計算です。それだけ通信制という選択肢が身近で、多様化している証しでしょう。通信制を検討する場合は、検討対象の学校がしっかりとしたカリキュラムを組み、生徒をサポートする仕組みを整えているかを見極めるとともに、お子さん自身に主体的な学習態度が身についているかなど、適性をよく考えることが大切です。

 

 

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