自分には想像もつかない現代の就職活動。保護者としては、できれば大企業に就職してほしいと思っています。ただ、今時の就職活動の実情が分からないので、保護者としての心構えについて、教えてください。

(質問者:神奈川県/高2女子・母)

A大企業にこだわらず、自身に合った就職先の見極めを

保護者世代が学生だった頃と比べて、現在は就職活動を始める時期が早まっており、不安を覚える保護者の方も多いと思います。実際、大企業に就職するためには、早い時期から就職活動をする方がよいとか、インターンを経験しておくのがよいとか、大学のキャリアセンターに足しげく通って相談するのがよいとか、様々なことが言われています。しかし、大企業に就職することが、かつてほど意味のあることだとは思いません。

現在、最も人手不足に陥っているのは、新しく起業した会社(スタートアップ企業)です。恐らく、昔と比較すると、小さくても伸びしろのある企業が増えているのだと思います。終身雇用制が崩れて、新卒で入った会社に何十年間も勤めることが少なくなり、どんな大企業に入っても一生安泰に暮らせる保証は得られません。

そうした様々な変化を踏まえると、いわゆる有名企業や大企業に入ることだけを目的に就職活動に時間を割くよりも、大学でしか学べないことを学び、インターンの際にも知名度よりもキラリと光る活動をしている会社に参加して、自身の個性に合わせた就職先を選ぶ方が、結果的にその後の人生がうまくいくのではないでしょうか。何としてでも大企業に就職してほしい、といった保護者の価値観を子どもに押しつけず、これからの社会で最も活躍できそうな選択を後押ししてあげてほしいと思います。