中学受験を考えている小学4年生の娘がいますが、母親の私は働いていて忙しく、あまり子どもの勉強を見てあげられていません。中学受験をする子どもの受験勉強に、保護者はどのくらい、どうやってかかわればよいでしょうか。
(質問者:小4女子・母)
A少し離れた距離から見守る程度がちょうどよい
働きながらお子さんの中学受験を支えるお母さんが増えました。低学年はともかく、高学年になったら、保護者は勉強を見ることよりも、励ましや勇気づけといった、精神面のサポートに徹するなど、子どもが主体的に勉強できるように支えることが役割だと考えましょう。
受験勉強に限らず、親子関係が密接すぎると、子どもの悪いところばかりが目につくようになってマイナスです。少し離れた距離から見守る方が、近視眼的にならずに、互いを尊重できるよい関係になれると思います。
達成できたことについては、「成し遂げたね」などと言って自己肯定感を高めたり、「あなたらしいね」「頑張っているね」などと、勉強の成果ではなく、プロセスや変化を褒めたりします。落ち込んでいたら、「大変だね」「イライラするよね」などと、子どもの気持ちを言語化してあげるとよいでしょう。
小学生のうちは、子どもは保護者が言っていることを素直に受け入れてくれますし、気持ちを表現することが未熟なため、子どもに共感して気持ちを代弁してあげることが大切です。
また、スモールステップをつくってあげることも重要です。「次は、こんなことを頑張ってみようか」などと、当面の目標を一緒に考えてみましょう。その目標を達成できたら、それを認め、褒めることを忘れないでください。
お母さんが働いていること自体は何らマイナスではなく、むしろ、保護者が働いている背中を子どもに見せることは、受験対策の面からもプラスです。最近の入試は、複数の教科の知識を総合・統合して考えさせるような問題が増えているため、食事中などに、保護者の仕事を話題にするのもお勧めです。知識が増え、視野が広がり、多角的に考える訓練にもなります。
家庭と社会の架け橋となる存在は、かつては父親だったかもしれませんが、現在はそうではありません。社会についての議論が家庭の中でも行われ、父親と母親が対等な関係であることは、受験対策にとどまらず、子どもの将来にとってもよい影響を及ぼすに違いありません。大変だとは思いますが、頑張ってください。