うちの子は、毎日のように友だちを連れて帰宅し、ゲームをしています。その後、宿題を急いでするのですが、計算ミスや書き間違いがとても多いです。間違えている箇所を私が説明しても、上の空という感じで、解き直すこともせずに答えを聞いてきます。とにかく宿題をこなすことに精いっぱいな感じです。私が出かけたり、入浴したりしているわずかな時間にもゲームをしたり、インターネットで動画を見たりしています。学力低下だけでなく、視力低下も心配です。どうしたら依存状態から脱却できるでしょうか。

(質問者:東京都/小5男子・母)

Aゲームの価値を認めてあげた上で、一緒にルールを決めたり、代替物を見つけたりする

まず、お子さんはゲームに夢中にはなっていますが、宿題はしているわけですから、その点は評価してあげてください。自分の中ですることの優先順位をつけ、優先度が低くても必須なことをこなす力は、大人になっても必要な大切な力です。
また、友だちを連れて帰宅する点も評価してあげましょう。そういったコミュニケーション力がある子どもに育てたいと思っている保護者もたくさんいます。そうした点は、我が子の長所として認識しておくべきです。

最近のゲームは本当に魅力的で、子ども同士の重要なコミュニケーションツールにもなっています。保護者がそうした価値を認めて歩み寄ることが、子どもとの信頼関係を深めることにつながります。
反対に、ゲームについてあまりガミガミ叱ると、子どもは、自分が大好きなことを理解してもらえないことで孤独を感じます。アルコール中毒などにも言えることですが、孤独な状態が様々な中毒や依存症のリスクを高めます。そうならないためにも、ゲームを親子対立の要因にするのではなく、ゲームを通して親子のコミュニケーションを深めるようにしたほうがよいでしょう。

ゲームが好きな子は、ゲームにおける目標を持ち、自分なりに工夫や努力をしています。ステージをクリアしたり、レベルが上がったりすることで、達成感を得ています。そういった点に保護者が共感したり、褒めたりしながら子どもの話を聞くと、子どもは「自分のことを分かってもらえた」「頑張りを認めてもらえた」「自分が大好きなことを受け入れてもらえた」と感じて、保護者への信頼感が高まります。普段はあまり親と会話をしない子が、ゲームの話なら乗ってくるということはよくあります。
そのようにして、子どもとのコミュニケーションを深めつつ、ゲームをする時のルールを子どもと一緒に作っていきましょう。保護者も子どもも、互いの話を共感的に聞きながら、主張したいことは主張し、譲れるところは譲り、互いが納得できる着地点を見つけていきます。つまり、民主的な対話を通してルールを作ることが重要です。
本人がルール作りにかかわることで、それを守ろうとする気持ちが高まります。決めたルールは、書き直しがしやすいホワイトボードなどに明文化しておきましょう。もし、現実にそぐわない点が出たら、また話し合ってルールを修正すればよいのです。

また、ゲームに依存しないための1つの方法としては、「ゲーム以外で時間を割きたいと思うもの」、つまり、ゲームの代替物を見つけることが挙げられます。
あるご家庭では、釣りや工作など、その子に向いていそうなことにいろいろとお試しチャレンジをさせたところ、工作が趣味になって、ゲームをする時間が減ったそうです。参考にしてみてください。