高校の部活動と通塾を両立させることができるのか不安です。学校から課される宿題は、まとめて週末に取り組んで何とかこなしている状態で、塾で課される宿題にまでは手が回っておらず、塾代がもったいないと感じています。このままではどちらも中途半端に終わってしまうのではないかと心配でたまりません。

(質問者:愛知県/高2男子・父)

A優先順位について親子で話し合い、最終判断は子どもの意思を尊重する

ポイントは、子どもとよく話し合うことと、子どもの思いを尊重することの2点です。部活動と勉強のどちらにどの程度重点を置くのか? そして、それを実現するためにはどうすればよいのか? そういったことを親子で民主的に話し合いましょう。民主的というのは、親が上から自分の目線で押しつけるのではなく、1人の人間としてリスペクトし合いながら話し合うことです。その上で、最終決定は子どもの意思を尊重した方がよいと思います。なぜなら、子どもの人生は子どものものだからです。親は監督ではなく応援団に徹して、子どもの選択を応援してあげましょう。2018年に国内2万人を対象に行ったアンケート調査(※)で、自己決定の度合いが幸福感に強い影響を与えることが分かりました。つまり、来し方を振り返って「習い事や部活動を自分で選んだ」とか、「自分で進路を選んだ」などと感じている大人は幸福感が高いのです。そして、人は物事を決める時に自分の意思が働いた度合いが高いほど、その選択に自覚と責任を持って頑張れます。
なお、もし部活動を優先しつつ、塾にも通いたいという場合は、今よりも難易度の低い塾に通う、または自分のペースで学べる通信教育に変えるなど、いくつかの選択肢が考えられます。子どもだけではそうした選択肢を思いつかない可能性があるので、親が提案してあげることは大事なことだと思います。

「幸福感と自己決定—日本における実証研究」神戸大学