能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市で5日、小中学校の入学式が行われた。地震の影響で人数が大幅に減った学校もあったが、新入生は笑顔で新たな生活をスタートさせた。

珠洲市立直小は校舎が避難所になっているため、市内の多目的ホールで式を実施。新入生10人が出席した。道端専次校長(59)は式辞で「珠洲市が元に戻れるよう、多くの人が一生懸命頑張ってくれている。皆さんは珠洲市の希望。支え合いながら頑張りましょう」と呼びかけた。

新入生の池谷内梨心さん(6)は、地震で自宅が全壊した。父の寛人さん(44)は「大変な思いをしたが、無事に娘の晴れ姿を見られて本当に幸せ」と感慨深げに話した。

午後には同じホールで市立緑丘中の入学式が開かれた。新入生は28人で、代表であいさつした三沢琴葉さん(12)は「地震で人数が減って1クラスしかないが、みんなで楽しい学級にしたい」と笑顔を見せた。父の崇さん(47)は「例年は2クラスだが、地震で急に半分になった。娘の同級生がいなくなり、寂しさもある」と複雑な心境を明かした。

この日、県内で入学式があったのは珠洲市や志賀町など4市町。輪島市など他の市町は8日に行われる。