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【連載】楽しい学び合い 第2回
どうやって子どもたちの関心や本音を引き出せばいい?~探究の伴走 part1~
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志

2022/05/27 08:40

皆さん、こんにちは!

GWはいかがだったでしょうか?

僕はビックリすることがありました!

この連載の第1弾をGWに公開した後、うちの会社のHPの閲覧数が倍増しました……。

『VIEW next』、恐るべし……(笑)。

ありがたいことに、早速読者の方からリクエストもいただきましたので、取り上げていきたいと思います♪

「どうやって子どもたちの関心や本音を引き出せばいい?」

 

リクエストしてくれた先生のお悩みを、原文そのまま載せますね!

「『総合的な探究の時間』に、生徒の好きなことや関心事から課題設定させようと思っているのですが、『特に関心事はありません』『別にそこまで……』みたいな感じで、なかなか前進しない子たちがいて、苦労しています」

 

実際に、僕の仕事でもこういった悩みをよく聞きますし、いわゆる「ファシリテーション」にかかわる依頼も多いです。

 

お悩みについて、僕から回答する前に、読者の皆さんに質問です(ジャジャン~♪)

「皆さんは、職場の中で本音を話せますか?」

 

ドキッとされた先生もいらっしゃるかもしれません(笑)。

もちろん、「言えるよ~」という先生もいらっしゃると思いますが、「なかなか言えないよ~」という先生方も少なくないのではと思います。

学校だけでなく、企業も同じで、「なかなか社員が、思っていることや本音を話してくれない……」といったお悩みも、一般企業勤めの方からよく聞きます(笑)。

実は、質問で挙げられたような子どもたちも、本当に何も関心がないのではなく、関心事をなかなか言えない状況なのではないでしょうか。

では……、

「皆さんが気軽に本音や意見・アイデアをぶつけられる相手って、具体的に誰ですか?? 仕事でもプライベートでもいいので、思いつく限り挙げてください」

 

皆さん、どんな方々の名前が挙がっているでしょうか?

「家族」の名前とか、「友達」の名前が挙がっている方が多いでしょうか?

ちなみに僕の場合、スナックのママさん(笑)

なぜか本音が出ちゃうんですよね~、なぜでしょう??

 

今思い浮かんだ方々は、おそらく本音を引き出すことや、ファシリテーションが上手なのではないでしょうか?

では、次の質問です!(ここからが大事です♪)

「そのファシリテーションが上手な方の特徴や共通点は何でしょうか?
なぜその人たちには本音が話せるのでしょうか?」

 

皆さんの答えが気になりますね~。

僕の場合、まずは「①僕に関心を持ってくれている」ことですかね。

関心を持ってくれていると、うれしいですし、どんどん自己開示してしまいます。

 

でも、関心を持ってくれているかどうかって、どうやって判断しているのでしょう?

「皆さん、ご自分が関心ある人に出会ったら、どんな態度になりますか?」

 

例えば僕は、プロテニスのフェデラー選手が大好きなのですが、もしフェデラー選手に会ったら、目を輝かせて、いろいろ質問しまくります(笑)。

関心がある時って、自然と「問い」があふれたり、「リアクション」が大きくなったりしませんか?

そして、子どもたちは大人のことをよく見ているので、自分のことに本当に関心を持ってくれているかどうか、すぐ見抜いてきませんか?(笑)。恐るべき観察眼!

 

  • 関心を持つ」以外にも、「➁心理的安全性」も欠かせないですよね。

馬鹿にされたり、否定されたり、意見を押しつけられたり、秘密が守られなかったり……。

子どもたちに聞くと、「先生に、本当に関心があることを言ったら、『ふざけるな』って怒られるんじゃないか……」って思って、言いたいことを言えないっていう子が多いです。

一見ふざけているようなことでも、真面目に追究すれば、立派な探究なんですけどね。

イグノーベル賞なんて、その典型例ですよね(笑)

 

話を元に戻しましょう。

  • 関心を持つ」「➁心理的安全性」以外にも、「③身近さ」とか、「④失敗を許してくれた

り、サポートしてくれたりする」とかもよく見かける答えです。

 

個人的には、「⑤不完全さ(人間臭さ)」も結構大事な要素ではないかなと思っています。

某ドラマに出てくるような、超優秀で「私、失敗しないので」みたいな人には、僕は恐れ多くてなかなか相談しにくいです(笑)。

少しツッコミどころがあったり、おっちょこちょいだったりする方が、僕は親近感が湧いて、本音で相談しやすいです。

 

  • ~⑤以外にも、いろんな要素があると思います。

①~⑤は、あくまで僕の経験から導き出したものなので、そのほかにも答えがあって当然ですね。

前回の連載もそうですが、自分の経験の中にヒントがたくさん眠っています。

「自分だったら」「自分が○○の立場だったら」と考えることって、何においても大事ですよね。

あたり前の事何ですが、結構忘れがちです。

「生徒たちがなかなか自主的に意見を言ったり、質問したりしてくれない」って悩みもよく聞きますが、先生向けの研修でも、先生たちから質問や意見が全く出ないシーンっていっぱいあります(笑)。

先生も生徒も同じ人間。

ということは、「(自分だったら)こういう声かけをされたり、こういう環境を準備されたりしたら、質問したり、発言したりすることができるな」って考えると、効果的なアプローチが見えてくるかもしれません。

 

ただ、それだけではだめです♡

これまたあたり前ですが、自分はそう思うけど、生徒はそう思うかどうか分かりません。

僕も20代の頃、「自分は○○してほしかったから、生徒も○○してほしいだろう」って考えて、痛い目を見ました(笑)。

では、どうすればいいんでしょう?

いろんな他者の経験に耳を傾ける(対話する)と、自分のファシリテーションの幅が広がっていきますね♪

なので、ぜひ、「自分が生徒だったら、先生たちにどんなふうに接してほしい(伴走してほしい)か?」、周りの方々と楽しく話し合ってみてください♪

 

ただ、どんなにファシリテーションがうまい人でも、うまくいかない時はあります。

例えば、いくら聞き上手のスナックのママさんといえども、取り調べ室みたいなところで僕の本音を引き出せるかというと、難しいですよね(笑)。

「環境」を考えることも、大事なことなのです♪

「皆さんが気軽に本音や意見・アイデアをぶつけやすい環境って、どんな環境ですか?」

 

次回、これを皆さんと楽しく考えていきたいと思います。

 

これからもどんどん読者の皆さんのリクエストに応えていきたいと思いますので、僕のネタ切れ防止のためにも、リクエストください~お待ちしております♪

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