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【連載】楽しい学び合い 第15回
「主体性って、どう評価すればいいの? これからの評価って、何が求められているの?」~part1~
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志

2022/12/09 09:30

皆さん、こんにちは!

早いものでもう師走ですね~。

この連載も15回目になりました♬。

連載を持たせてもらって初めて分かりましたが、隔週連載ってホント厳しい……。

2週間に1回、原稿の〆切がやってくる……。

早く着手した方がよい、そんなことは分かっているはずだけど、〆切間際になって、ようやく重い腰を上げて取りかかる……。僕、全然、主体的じゃないですね(笑)。

じゃあ、主体性がある人ってどんな人なんでしょう?

皆さんが、最も主体性があるなって思う人は誰ですか? 具体的に挙げてみてください♬。

皆さんの答え、気になる~。

これ、ぜひ、職場の皆さんにも考えてもらってください♬。

答えが気になりますが、実は誰でもいいんです(笑)。

大事なのは次の質問です!

なぜ、その人に主体性があると判断したのですか?

 

もうお分かりだと思いますが、この質問の答えに「自分が“主体性”をどう捉えているのか?どんなことに重きを置いているのか?」が眠っています♪

 

そのことに気づかせてくれたのが、10年ほど前のある生徒の発言です♡。

「学校の先生って、授業中に手を挙げたり、発言したりする人や、課題の提出率の高い人を“主体性がある”って褒めますよね? それっておかしくないですか? “主体性がある”んじゃなくて、先生にゴマを擦って忖度しているだけじゃないですか?」

 

グサ、グサ、グサっ……(3回くらい刺された感じでした(笑))。

それから、「“主体性”って何だろう? 自分はどんなことから、その人に『主体性がある』って捉えているんだろう?」という探究が始まりました♬。

 

今のところ、僕の中では……、

① 自分で“問い”や“課題”、“目的”などを持っている(内在化している)

② ①の解決や達成に向けて、何らかのアクションを起こしている(起こそうとしている)

③ 誰かにやらされたり、強要されたりしていない

の3点がそろっていることが、主体性があるという条件かなと思っています👍。

 

こうやって具体的なものをイメージしたり、自分の言葉(自分語)にしたりしないまま、やれ○○力だとか、○○を伸ばそうって議論しても、ただの言葉遊びになってしまいませんか?

 

実際、スクールポリシーとか、ルーブリックとかをつくっても、抽象的な言葉だけが飛び交って、結局浸透せず、形だけになってしまっている学校をよく見かけます。

逆に、スクールポリシーが浸透したり、ルーブリックがうまく活用されたりしている学校って、具体的な自分語を使った対話が校内でちゃんとなされていると思います♪。

なので、“主体性”を評価する以前に、そもそも「“主体性”って何だ? 自分たちはどう捉えているのか?」という対話をした方がいいですよね👍。

対話することで、「確かにこれって、実は主体的かも……」っていう気づきもあって、視野が広がり、より生徒のことを知れたり、多面的に生徒のことを見れるようになるかもしれません💛。

(結構人間って、「Aくんは○○な子だ」って決めつけてしまって、自然にバイアスをかけて見てしまっていますから……。だから対話って大事♪。)

 

主体性について自分語で議論した後はどうしましょうか?

目の前にいる子どもたちの中で、皆さんが自分語にした主体性を持つ子どもは誰ですか?(複数回答可) 

ここでピックアップした生徒さんは、将来、もっと主体性を発揮していくかもしれませんが、“理想に近い姿”であると言えますよね👍。

もちろん、ここでも「なぜ、その生徒に主体性があると判断したのか?」を、先生方同士で対話してほしいです♪。

判断基準について対話することで、「“理想に近い姿”の言語化」を同時にしていることになります!

 

次に、逆バージョンもやってみるとよいと思います。

皆さんが、最も主体性がないなって思う人(子ども)は、具体的に誰ですか? なぜ、その人を主体性がないと判断したのですか?

 

ここで出てきた判断基準(具体的な場面・行動)って、先生たちが「何とかこの状況は脱してほしい」と思っている最重要課題の1つですよね👍。

 

皆さん、お気づきですか?

もう、ルーブリックの基本となる部分ができていることを!

「目指したい主体性のある姿」と「最も課題だと思っている姿」が出そろっているので、あとは、この間を刻んでいくだけです。

よく何段階で評価すればよいのですか?って聞かれるんですが……。

皆さん、この人できるな~とか、優秀とか、色んな場面で他者を評価されたりすることもあると思いますが、何段階くらいで評価されて(分けて考えて)いますか?

 

いくら丁寧に小刻みに刻んでも、活用されなければルーブリックを作る意味がないですよね……(使われたとしても、形式的だと意味がないですし……)。

皆さんが活用しやすいなと感じる形が、一番よいのだと思います💛。

そして、先ほどと同じように……。

それぞれの段階にあてはまる具体的な人(子ども)は誰か? なぜ、そう判断したのか?

ポイントは、「言葉遊びにならないように、“具体的”に“自分語”で語り合うこと」。

そして、目の前の子どもたちは当然変化していきますので、ルーブリックの「完成形」などは存在するわけがなく、適宜修正していく必要がありますね♬。

なんか、ルーブリックの話ばかりになってきていますが、そもそも……。

誰のための評価ですか? 何のために評価するんですか?

 

評価にかかわるワークショップをする際に、必ずする質問です♡。

これまた、前回連載の「発表」と同じで、学校の中にあたり前のように「先生が生徒を評価する」という場面があるので、ついつい忘れがちになってしまっています。

 

この「問い」を投げかけると、「子どものため」という答えが多いのですが、どう子どものためになっているのでしょうか? この答えだけだと、結構アバウトですよね(笑)。

では、具体的にどう子どもためになるのか、考えていきたいと思います♪。

皆さんが今まで生きてきた中で、「これは成長につながったな~、自分のためになったな~」って思う評価って、どんな評価ですか?

これは皆さんの答えが超絶聞きたい……。

ぜひ、職場の中でも対話してみてください♬。

絶対盛り上がるし、その議論が今後の学校運営に大きくかかわってくると思います💛。

ただ、紙面の残りが少なくなってきました……(´;ω;`)。

なので、この「問い」は宿題にしましょう(宿題、久しぶり(笑))。

 

「評価」に関しては、非常にたくさんの方からリクエストをいただいております♪。

改めて、リクエストありがとうございました~💛。

連載回数も残り少なくなってきましたが、可能な限り、リクエストに応えていきたいと思いますので、お待ちしております~♪。

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