私は高校生の頃、国・数・英は3年夏まで、それ以降は理・社に注力、と学校で言われました。今の受験戦略は異なるのでしょうか。また、異なるのであれば、どのような教科バランスを意識させればよいのでしょうか。
(質問者:宮城県/高2女子・母)
A志望校を早めに決めて、「とりあえず満遍なく勉強」の状態から脱するべき
受験戦略で最も大切なことは、「○年生の○月までに何を勉強するか」を決める前に、志望校を決めることです。理由は、学習する教科のバランスや入試本番までに成果を上げやすいスケジュールが、志望校によって異なるからです。
志望校の受験科目が3科目であれば勉強すべき科目を絞れますし、国公立大学を目指す場合は大学入学共通テスト対策が必要ですから、国語・数学・英語の教科書レベルの勉強はなるべく早めに終わらせ、残る時間を共通テスト対策や志望校の過去問演習に割くのが望ましい、といったように、効果的な戦略を立てることができます。志望校を少しでも早く決めて、そこに照準を合わせて力を入れる科目と時期を決めるのではなく、「とりあえず満遍なくやろう」では、結果として「すべて中途半端になってしまった」という状況になりかねません。少なくとも、私立大学だけを受験するのか、国公立大学を受けるのかだけでも早く決めるべきです。
受験科目の選択や選択後の教科の学習バランスは、どの科目が最も点が伸びそうなのかを考えます。もちろん、子どもの得意・不得意に応じて決める必要があり、適切な判断をするためにも、志望校の過去問題を早い段階に解かせてみて、何が得意・不得意なのかをはっきり自覚できるようにすることをお勧めします。ただ、志望校は、自分はどのような学問に興味があるのか、社会で生かせる自分の強みはどのようなもので、それが伸ばせる学問は何かといった視点から考えて決めるべきです。そうしないと、大学入学後に「イメージしていた大学・学科とは違う」といったミスマッチが起こってしまいます。