うちの子は医師を目指しています。その気持ちは尊重して応援したいのですが、小学生や中学生のうちから、親としてできることは何でしょうか? 医大への進学となると、経済面での心配もあります。
(質問者:東京都/小6女子・父)
A医師という職業を具体的にイメージできる機会をつくる
将来は医師になりたいと、小学生で明言できるとは素晴らしいですね。
先にお金の話をすると、私立大学の医学部の学費が非常に高いことは事実です。家計への負担を考えると、できれば国公立大学を目指したいところです。ただし、多くの私立大学で導入されている諸制度を利用すれば、経済的な負担を抑えることができます。奨学金制度を活用したり、志望大学の難易度を多少落として「特待生」での入学を目指したりする方法も一案です。
今のうちから保護者の方ができることとしては、お子さんに五感を働かせて医師のイメージやモデルを持つ機会をつくってあげることです。医師のあり方を考えさせるようなドラマを観たり、知人に医療関係者がいる場合は話を聞いたり、実際の医療現場の様子を見せてもらったりすることなどが考えられます。特待生向け入試の場合は、面接選考時に医師としての適性も見られますから、その対策にもなります。
学校教育の一環として、医師という職業の具体的なロールモデルを見せる授業を取り入れている高校もあります。例えば、東京都立戸山高校が設置した、医学部志望の生徒に特化して指導を行う「チーム・メディカル」では、医学部や病院等の見学や体験実習を行ったり、先端医療技術に関する講演会を行ったりすることを通じて、生徒たちに自分の進路を考えさせ、モチベーションを高める取り組みを行っています。そうしたキャリア教育を取り入れている高校を選ぶのもよいでしょう。
ご質問者のお子さんは医師志望ですが、他の職業を希望する場合も同じです。子どもが希望する進路について、その将来像をできるだけリアルに、具体的にイメージできるような機会を用意することは、保護者の方ができる大切な役割の1つではないでしょうか。