息子は、勉強はしているようですが、成績が上がらず、息子も私も、そのことにストレスを感じてしまっています。
頑張っても成績が上がらない時の、子どもへの助言と、親の気の持ちようについて、アドバイスをお願いします。

(質問者:大阪府/高3男子・母)

A子どもには小さな成功体験を積ませ、親自身は「セルフコーチング」を。

お子さんは高3とのこと。親がつき合う最後の受験ですね。
思ったような成果を子どもが出せない時ほど、親は子どもの悪いところばかりに注意を向けがちです。そして、親がネガティブな気持ちでいると、子どももやる気をなくします。ベネッセ教育総合研究所の調査研究結果でも、親の養育態度や心持ちが、子どもの自己肯定感や学びに向かう力に影響することが明らかになっています(調査研究結果の詳細はこちらを参照)。

また、子どもの悪いところばかりを見ていると、点数が上がっても、「たまたまではないか」などと悲観的に捉えてしまい、せっかくの頑張りを認めることができない状態に陥ってしまう可能性もあります。できるだけ前向きな気持ちで接してほしいと思います。

また、子どもには、小さな成功体験を積ませるとよいでしょう。テストの成績などの成果だけではなく、「○時間、勉強することができた」「朝の時間帯も勉強することができた」など、子どもの取り組み自体を認め、褒めます。褒める時は、どのような点がよかったのか、具体的に褒めましょう。勉強以外のことでもよいです。子どもは小さな成功体験を積む中で、自信とやる気を少しずつ高めていきます。

親自身も子どもについて、次のようなことを思い出してみましょう。例えば、子どもがこれまで頑張ってきたことや身につけたこと、粘り強さや継続力といった、成績以外の点で成長したこと。そして、我が子らしさ。自分に問いかけながら思考の整理をし、自分を見つめ直していくことを「セルフコーチング」を言いますが、心を安定させるために有効です。子どもが大学生や社会人になった時、子どもはどこでどのようなことをしているのか。また、自分にとって子どもは、どのような存在であるのか。子どもが独立後、自分はどのように過ごしたいのか。そうしたことにも思いを巡らせてみましょう。明るく前向きな気持ちになれるはずです。