3人きょうだいで末っ子の小学6年生が、私立中学校を受験するのですが、上の2人が中学校から大学付属の学校に通っており、その姿を見て育ったからか、「自分も同じ学校に進学しなくては」といったプレッシャーを感じているように思います。私は、「行きたい学校に進めばいいよ」と言っているのですが、その気持ちのコントロールが難しいようです。そんな息子に対して、よいアドバイスはありますか。

(質問者:埼玉県/小6男子・母)

Aその子ならではの個性や強みを言語化して伝える

きょうだいが通っている学校の存在が、お子さんの中で必要以上に大きくなっているのですね。
その学校だけではなく、ほかにも選択肢があったということを、大人になってから知って後悔するのは、とてももったいないことです。学力ではなく、自分に合った学校を選ぶことの大切さを、お子さんに理解させましょう。
そのためには、その子らしさや、その子のよさを本人に伝えてあげてください。特に、きょうだいにはない、その子の個性を意識しながら、「細かいことは気にしないよね」「発想がユニークだよね」などと、具体的に伝えてみてください。「お兄ちゃんたちとは違う自分」を客観視できれば、自分の未来を肯定的に選ぶことができるでしょう。

並行して、どのような学校がその子に合っているのかを、保護者自身も真摯に考えてみてください。受験を巡る状況は年々変化しており、「上の子どもの時に〇〇だったから」といった過去の経験が通用しないことも少なくありません。出題傾向や授業のカリキュラムなどはもちろん、特徴的な校風を保ってきた私立中学校でも、経営層が変わると、様々な方針も変わることがあります。知っているつもりにならずに、情報を幅広く収集し、志望校を吟味していただきたいと思います。

それらの情報を親子で一緒に調べるのもお勧めです。子どもは、「自分のことに目を向けてくれているんだ」とうれしく感じると思います。もし、候補の学校が複数見つかったら、各学校のメリットとデメリットを書き出して、比較してみるとよいでしょう。そうした作業の中で、偏差値とは関係なく、「ここしかない!」と本人が思える学校に出合えることと思います。