今春、小学1年生になった次男は、兄がいるからか、上級生とも仲がよく、一方で、同じ登校班の同学年の子が取り残されているのをよく見かけました。おそらく次男が、「上級生と遊べる俺、違うんだぜ」といったような、意地悪で示威的な態度を、同学年の子に対して取っていたのではないかと推測しています。最近では、その同学年の子が挨拶をしなくなり、集合場所にも現れなくなってしまいました。意地悪をしている側の親として、次男にどう働きかけたらよいのか、そして同学年の子の親御さんと一度話をした方がよいのか、それともあまり関与しない方がよいのか、加減が分からずに困っています。

(質問者:静岡/小1男子・母)

A感情的にならずに子どもの本音を引き出し、本人が納得する形で反省させる

「うちの子に限ってそんなことをするはずがない」と思われる保護者が少なくない中で、我が子がいじめの加害者かもしれないことに気づき、認めるのは、素晴らしいことです。
保護者がまずすべきことは、怒るなど、感情的にならないよう気をつけながら、冷静に事実を把握することです。「〇〇くんのことで気になることがあるんだけど……」などと切り出して、本人から話を引き出しましょう。
その際、本当のことが話しやすくなるよう、同じ高さの目線で話すことがポイントです。「正直に全部話してほしいな。もし、間違ったことをしたのなら、それを話してほしい。そして、これからどうするかを一緒に考えよう」といった具合です。

日頃から親子の間に信頼関係があれば、子どもは本当のことを話すでしょうし、保護者のアドバイスに対して素直に耳を傾けます。また、もし加害者だったとしても、子どもにも言い分があると思いますので、例えば次のように、子どもの話を共感的に、しっかりと聞いてあげてください。
「そうなんだ。そういうことがあったんだ。それは嫌だったね……。でも、だからと言って仲間外れや、いじめが許されるわけではないよね。自分がされたらどんな気持ちになるかな? ○○くんは本当につらかっただろうね。謝るべきことは心から謝って、どうしたら許してもらえるかを一緒に考えよう」
「でも、正直に話してくれてありがとう。正直に話すのは勇気が要るよね。自分の間違いに気づいて、正直に話してくれてうれしいよ。誰でも間違えることはあるけど、しっかり反省して、それを繰り返さないことが大事だよね」
以上のような話し合いをする時には、努めて冷静になることが大事です。感情的になって人格を否定するような言葉を言わないよう、十分に気をつけましょう。

相手の子どもへの謝罪は、学校を通して行うとよいでしょう。状況によりますが、先方の保護者と直接やり取りをすると、互いに冷静になれず、話がこじれることがあるからです。
我が子がいじめの加害者だという事実は、保護者にとっても大きなショックですが、子どものすべてが否定されるわけではありません。日頃から親子関係を良好にしておくことはもちろん、今回のような事態が起きても、子どもと真剣に向き合い、しっかりと対応すれば、子どもは大切なことを学び、大きく成長することができます。