クラス替えで仲よしのお友だちと離れてしまい、新しいクラスになじめずにいます。昔からの仲よしのお友だちが、新しいお友だちをどんどんつくって輪を広げている様子を間近で見ていて、本人も焦りや孤独感を募らせていますが、うまく立ち回れていないようです。担任の先生からは、コミュニケーション能力に問題がありそうだと言われました。発達障害なども視野に入れ、受診や検査などをするべきなのか、また、本人がそれを受け止められるのかなど、親として、何を、どうサポートすればよいのかが分からず、悩んでいます。

(質問者:福岡県/小5男子・母)

A早めに、気軽に、専門家に相談を

以前から何となく気になっていた場合や、保護者または担任の先生が、子どもに発達障害の可能性を感じている場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。
様子見という名の「何もしない」ことを何年も続けてしまうケースに出合うことがありますが、それには大きなリスクがあります。保護者がインターネットや書籍などで発達障害について調べ、知識を得ること自体はよいことですが、やはり素人の範囲を超えることはできません。そのせいで専門家への相談を躊躇し、行動に移さないでいるのは、不安が大きくなるだけです。何より、子ども自身が長期間、苦しい思いで毎日を過ごさなければなりません。さらに、自己否定や抑うつ症などの二次障害を発症する恐れもあります。

専門家は、専門家ならではの知識や視点を持ち、毎日数多くの症例に接しています。日本では、発達障害や心の健康について、カウンセリングや医師の診断を受けることへの抵抗感が強い傾向がありますが、もっと気軽に足を運んでみるべきです。
発達障害を診断できるのは医師(医療機関)のみで、小児科や児童精神科、小児神経科、発達外来などで診察を受けることができます。もし、医師の診察を受けることに心理的なハードルの高さを感じるのであれば、心理カウンセラーや臨床心理士などに相談してみるのも一案です。市区町村ごとに必ず設置されている保健センターを始め、子育て支援センターや児童相談所なども相談に応じてくれます。また、発達・心理相談を手がける民間企業やNPOなどもあります。医師の診断がなくても利用可能な支援や福祉サービスがありますので、併せて探してみましょう。

仮に発達障害と診断されても、それで子どもや保護者に不利益が生じるわけではありません。最寄りの発達支援センターを紹介してもらえますし、子どもの発育・成長に必要な対応をしてもらえます。ご相談者のケースは、先生も保護者も、発達障害の可能性を視野に入れているようですので、早めに専門家に相談しましょう。