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【連載】楽しい学び合い 第11回
「振り返りって、どうすればいいの?」
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志

2022/10/07 09:30

皆さん、こんにちは!

朝晩が涼しくなり、秋をめっちゃ感じるようになってきましたね~。

秋と言えば……、

食欲の秋と言いたいところですが、このままいくと「食」の話ばっかりになりそうなので、自重します(笑)。

秋と言えば、もちろん行事の秋!(無理やり(笑))

文化祭、スポーツ大会、新人戦、教育実習……。

どの学校でも、いろんな行事が目白押しなんじゃないでしょうか?

 

学校行事と言えば、尽きないものなのがトラブル(笑)。

生徒同士で対立したり、やらなきゃいけないことが抜けていたり、運営がグダグダになってしまったり……。

これを書きながら、頭の中に過去の記憶がよみがえってきました(笑)。

でも……、そういったトラブルが発生した時など、うまくいかない時の方が、子どもたちは思考力が伸びるんだそうです。

 

ということは、私たち教員が先回りして、トラブルの種や生徒がぶつかりそうな壁を取り除くようなことをしたら、子どもたちの思考力を伸ばす機会を奪ってしまうことになるのかもしれませんね♬

子育てにも通じるかもしれませんが、「待つ」「見守る」、大事なことですね

(このことを我が子に一番教わりました(笑)。 息子💛ありがとう!!)。

 

でも、昨今、学校行事が減らされていくケースをよく見かけます……。

本当にそれでいいんでしょうか?

中学・高校生活の中で、皆さんが一番「成長できたな」「学びになったな」と思う経験ってどんな経験ですか?

「学校行事」とお答えになる方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

(僕はそうです(笑)。行事でのトラブルや壁が僕を成長させてくれました(笑))

 

では、さらにツッコんでお聞きします♬

「成長できたな」「学びになったな」と思うのはなぜでしょう? その根拠は?

恐らく、“行事が始まる前の自分”と“終わった後の自分”を比べてみた時に……、

 

・○○できるようになった

・○○に気づいた

・○○しか見えていなかったけど、そのほかのことも見えるようになった

・○○に対する見え方が変わった

 

みたいな変化を感じるからこそ、「成長できた」とか、「学びになった」といった感覚になっているんじゃないかなと思います♬

 

さあ、本題に入ってきましたよ~。

そうです。今回の本題は「振り返り」です♡

実は、読者の皆さんから、「どうやって子どもたちに『振り返り』をさせたらいいのか悩んでいる」というリクエストをたくさんいただきました。

 

では、いつも通り、自分たちの経験から考えていきましょうか♬

今現在、皆さんはどのように自分自身の「振り返り」をされていますか?
自分にとって、「ためになる振り返り」って、どんな振り返りですか?
50分(45分)ごとに振り返りをしていますか?

よく、毎授業子どもたちに振り返りをさせて、「何ができるようになったか?」を書かせている学校を見かけます。

それを書いている子どもたちの眼を見ると、つらそうな表情をしていることが多いです……。

もし僕が50分ごとに、「何ができるようになったか書きなさい」って言われたら無理ですし、発狂します(笑)。

 

人間、そんな短時間で劇的に成長するのは難しいですし、できたとしても、それを連続させるって難しいですよね……。

成長しているかもしれないけど、短時間では気づくことは難しい……

(髪の毛の伸び方と一緒ですね(笑))。

 

ということは、振り返りはある程度のスパンでやる方が、成長を感じやすいのかもしれませんね。

でも、間を空けると人間なので、「忘れてしまう」という問題が出てきます☠

過去の自分が何を考えていたのか、忘れてしまっていたら、比較したくてもできませんし、成長を感じにくくなります。

 

なので、過去の自分の“考え”や“モヤモヤ(悩み)”などを思い出せるよう、“メモ”しておく必要がありますよね👍

本人が思い出すことさえできればよいのですから、形式は“自由”(本人が一番思い出しやすい形)でよいと思います。

キレイな形じゃなく、ツイッターのような呟きでもよいですし、文章じゃなく、図や絵などでもよいわけです。

そして、何より大事なのが、「本音で書く」ということです。

「この時点での自分」と「後の自分」を比較するわけですから、偽って書いていたら、比較のしようがありませんし、比較しても、その変化は偽りなので、自分の成長を感じられないのではないでしょうか?

なので、「正直に残しておく」ことが、個人的には一番重要だと思っています。

 

自分の変化って、自分ではホントに気づきにくい。

だから、振り返りって大事なんですよね♪

それと、他者が自分の変化に気づいてくれることも多いので、一緒に振り返ると、なお、いろんなことに気づけるかもしれません。

 

ところで、これまでは、「変化」「成長」ばかりにフォーカスをあてていましたが……。

「振り返り」で気づくことって、変化だけですか?

そうじゃないですよね♪

自分が一貫して持っている考え方や価値観を発見したり、大切なものを再確認したり……。

自分は何気なくいろんなことをしていたけど、その根底では何かでつながっていたり……。

振り返りをすることで、自己理解がどんどん深まったり、今まで気づけなかった自分の一面に気づけたり💛

 

最後にもう1度……。

今現在、皆さんはどのように自分自身の「振り返り」をされていますか?
自分にとって、「ためになる振り返り」って、どんな振り返りですか?

皆さんの経験の中にある「ためになった振り返り」を、ぜひ子どもたちと一緒にしていただけたらと思います♬

 

改めてリクエストありがとうございました~💛

次回以降もリクエストにどんどん答えていきたいと思いますので、お待ちしております~♪

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