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【連載】楽しい学び合い 第12回
どうしたら子どもたちは、楽しく地域探究をしてくれるんだろう? そもそもなぜ、「地域」を探究する必要があるの? 地域に愛着を持たせないといけないの?
合同会社楽しい学校コンサルタントSecond
ベネッセ教育イノベーションセンター客員研究員 前田健志

2022/10/21 09:30

10月になりましたね~。

今年度も、もう半分が過ぎました……(自分で書いていてビックリ(笑))。

ということは、もうこの連載も折り返し地点を過ぎ、終わりに向かっています……(泣)。

ちょっとセンチメンタルな気持ちになりながらも、この連載を読み返してみたら、「自分が大切にしているもの」を再確認したり、「半年前の自分にはなかった言葉のチョイス」を見つけたり、書いている当時には気づけなかったことにも気がつきました♬。

(もちろん、自分の“書くこと”に対するモチベーションの浮き沈みなども、自分が想定していた以上に感じました……反省……)

皆さんもこれまでの連載で感じたことや、気づきなどがありましたら、忌憚なく僕にぶつけてください~♪。

他者と一緒に振り返ると、より自己理解が深まったり、自分じゃ気づけないことに気づけたりしますので💛。

皆さんは、この半年間を振り返ってみると、どんな気づきや変容がありましたか?

いかがでしょうか?

やっぱり半年間とか、学期ごととか、これくらいだと振り返りやすくないですか?

前回の連載でも、“子どもたちの振り返り疲れ”を取り上げましたが、ある程度の期間を空けないと、難しいですよね(笑)。

 

“疲れ”と言えば、“アンケート疲れ”も如実に感じます……。

先生たちも疲れていませんか?(笑)

“疲れ”シリーズでもう1つ「あるある」なのが、“地域探究疲れ”です……。

おっ、本題に入ってきましたね~♪。

(いつものことながら、導入が長くてすみません💦)

 

仕事でも、よく「地域探究」に関する悩みをお聞きしますし、リクエストもいただきました(ありがとうございます💛)。

「子どもたちが『地域探究』に主体的に取り組んでくれない、地域に愛着を持ってくれない……」

「小学校、中学校でも地域学習をしてきているので、『またか……』という反応をされる……」

などなど。

 

では、いつものように、ここで皆さんにクエスチョンです♬。

皆さんは、ご自分の勤務校のある地域に関心や愛着を持っていますか?

ギクってされた方もいらっしゃるかもしれません(笑)。

かくいう僕も最初は持っていませんでした(笑)。

でも、今は違います👍(その理由は後で書きますね~お楽しみに♪。 大したことじゃない(笑))。

 

ギクってされた方でも、“勤務校のある地域”と限定しなければ、出身地など、愛着や関心を持っておられる地域があるのではないでしょうか?

 

では、次の質問です。

なぜ、そこに関心や愛着を持ったのでしょうか? そこにはどんなプロセス(経緯)があったのでしょう?

これは皆さんの答えを聞きたい~♪。

いろんな人との交わり、思い出、印象深い風景……。

1回の出来事かもしれませんし、いくつもの出来事が積み重なっているプロセスかもしれません✨。

今、お答えいただいたプロセスを、ぜひ子どもたちにも味わってほしいですよね~。

 

先ほど、僕は勤務校がある地域に愛着を持つようになったと言いましたが、それはなぜなのか?

結論から言うと、人との交わりがきっかけです。

連載を読んでいただいている方はもうお気づきだと思いますが、僕は飲みに行くのが大好きです♡(晩酌はしないのですが(笑))。

勤務校の近くにある店でよく飲んでいたら、まずマスターと仲よくなりました。

マスターを介して、ほかの常連さんや、ほかの商店街の面白い方々と次第に仲よくなり、「今度、こんなんあるから、手伝ってよ」とか、「何か面白いことを、高校生と一緒にしようよ」とか、お互いに話し合うようになり、どんどん関係性が深まっていきました♬。

今では一緒にプロジェクトを推進するようになり、愛着というより、もう「町の一員」みたいになっています。

また、“人”だけでなく、仲よくなった方々に、町のお気に入りの場所を紹介してもらうことなどを通じて、どんどん町の“環境”にもハマっていきました💛。

「地域に愛着を持って」とか、「好きになって」とか、「この地域って、こんなに素晴らしいんだよ」とかって言われても、それだけで好きになったり、愛着を持ったりしますか?

人に「好きになって」って言われても、「はい、分かりました」ってなかなかならないですよね(笑)。

多分、そのように押しつけられる形じゃなく、地域で何かしら人と交わったり、環境を五感で感じ取ったりすることで、愛着って、自然に湧いてくるものなのではないでしょうか?

 

そうは言っても、湧かない場合もありますよね(大人も同じです(笑))。

じゃあ、「地域探究」をする意味ってないのでしょうか? 「地域」に愛着が湧かなくても、「地域」を題材にするメリットって何でしょうか?

この「問い」を子どもたちと一緒に考えてもいいですね♬。

子どもたちがやる気がない時って、大体「○○します」と、することがあらかじめ決められていて、「なぜ、それをするのか?」といった疑問が湧く、納得感がない時じゃないですか?

自分たちで「地域」を題材にするメリットを考えていくと、「地域探究」に対する納得感や自分なりの価値が出てくるかもしれません♬。

 

さて、「地域」を題材にするメリットですが、パッと思いつくところでいくと……、

・直接的な経験がしやすい(オンラインなどと違って、五感で感じられる)

・少し試したり、提案・実践したりしやすい

・変化を実感しやすい

みたいな感じでしょうか……。

 

上記のメリットのように、地域を「実践のフィールド」として捉えると、違った形の地域探究のやり方が見えてきませんか?

「地域」に関係なく、子どもたちが関心のあることを掘り下げていって、その後に、「それを使って、身近な人を喜ばせたり、幸せにしたりすることはできないかな?」っていう感じで、「地域」に広げていく……。

その方が、子どもたちの関心事に寄り添った形ですよね👍。

 

実際の例を見てみましょうか♬。

宮城県の高校生A君は、ゲーム作りが大好きな生徒でした。

自分の大好きなゲームを使って、自分の住む地域の人たちを幸せにできないかと考え、自分が住む○○市をそのままゲームにしてしまったんです……。

実際の住人たちがそのゲームに登場し、ゲームの主人公は住人たちと会話をしながら、クエスト(ゲーム内で課せられる課題)のクリアを目指します♬。

そうしたところ、ゲームをプレイした人たちが現実の○○市を訪れ、ゲームに登場する住人たちに、たくさん会いに来るという現象が起こりました!

観光客を実際に増やすなんて、スゴイですよね!

 

もちろん、「まず地域の課題を発見して、それを解決しよう」というやり方もありです。ただ、それだと、なかなか子どもたちが課題を自分事化できないことって多くないですか?

SDGsを探究の題材にされている学校でも、先生たちは同じような悩みを抱えていらっしゃる場合が多いです。

 

自分の中で「なぜ、それをするんだろう?」と、納得がいっていないのに、ひたすらそれが続く……。大人でもつらいですよね(笑)。

だったら、「なぜ、それをするんだろう? 本当に意味やメリットってないの?」と、子どもたちと一緒に考えることで、いろんな角度からの意見を出し、その中に少しでも子どもたちの琴線に引っかかるものがあったり、価値を見いだせたりしたら、その後の子どもたちの姿勢は変わってくるのではないでしょうか?

何より、いろんなものに価値を見いだせると、人生めっちゃ楽しいですよね♪。

(それは20代の時、ある生徒に教えてもらったことです♡。めっちゃなるほどって思いました♬)

 

改めてリクエストありがとうございました~💛。

次回以降も、リクエストにどんどん答えていきたいと思いますので、お待ちしております~♪。

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