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  • 【誌面連動】『VIEW next』教育委員会版 2021年度 Vol.2

<フロントランナーに聞く 教育のnext>
子どもが多様な価値観に出会えるよう、みんなで子どもを支える社会に
~認定NPO法人カタリバ 代表理事 今村久美

2022/01/14 09:00

予測困難な社会の中、教育の最先端で活躍する方が次代の教育のあり方について語る本誌連載「フロントランナーに聞く 教育のnext」。第4回は、すべての子どもが未来をつくりだす意欲と創造性を育める社会の実現を目指す、今村久美氏です。インタビュー動画や、今村氏と読者のQ&Aコーナーもあります。
(2022.01.14 今村氏からのご回答を掲載しました)

本誌記事

今村氏からは、次代の教育について、次のキーワードが示されました。

●キーワード1:社会にある「目に見えない階層」
●キーワード2:友だちや先生以外の「ナナメの関係」
●キーワード3:リアルとオンラインの融合
●キーワード4:自ら環境を変えていく力
●キーワード5:学校教育と社会教育の連携

詳しくは、本誌記事をご覧ください。

PDFダウンロード

インタビュー動画

本誌では語り尽くせなかったお話を動画(約9分30秒)でご視聴いただけます。
①学校外の子どもたちを見てきて感じる変化
②シェア型オンライン教育支援センターとは?
③教育委員会に期待すること

ご質問コーナー

読者の先生方からのご質問に、お答えいただきました。
※すべてのご質問にはお答えしておりません。ご了承ください。

つながりを遮断している子どもへの有効なアプローチはありますか。(北海道・小学校教諭)

私たちも大変苦労している部分で、難しい問題だと思います。その上で、私たちが重要だと感じていることの1つが「アウトリーチ(訪問支援)」です。具体的には、自宅や学校を訪問し、学校に来られていなかったり、別室登校をしていたりする子どもたちへの支援を指しますが、家庭から出られない子どもにとって、ドアの外の世界には不安しかありません。支援者も、最初は不審者です。ですから最初は、自宅に通って、一緒にゲームをしたり、趣味の話をしたりしながら「この人は大丈夫かもしれない」という安心感を持ってもらい、「この人がいる場所だったら」という気持ちになれたら、場所に来てもらいます。「安心・安全な居場所なんだ」と分かってもらうことが、子どもたちにドアを開けてもらう第一歩だと考えています。その一歩を踏み出せた子どもが、自分のやりたいことを見つけ、可能性を花開かせていく、そんなケースをいくつも見てきました。そういった意味で、アウトリーチがとても大切なファーストステップだと考えています。

▼【ご参考】オンライン不登校支援プログラム(LINE相談窓口を設けています)
https://futoko.katariba.online/

子どもたちにはメンターが必要であることを痛切に感じています。ただ、大学生などの20代がいない過疎地域では、「ナナメの関係」をどのように構築するかが課題です。お知恵があれば、お願いします。(静岡県・高校教諭)

オンラインを活用できるようになったことが、1つの希望だと思います。カタリバでも、地方の事例として、不登校の子どもへの支援や、中高生の探究学習の伴走支援などにおいて、ナナメの関係、つまり、親や教員(タテ)、同級生の友だち(ヨコ)とは違った“一歩先を行く先輩”という関係の先輩たちが、オンラインでかかわる取り組みを始めています。高校でしたら、以下の事例が参考になるかもしれません。

▼【ご参考】中高生向けオンラインコミュニティ「カタリバオンライン」
https://katariba-teens.online/

▼【ご参考】小規模校同士をオンラインでつなぎ、新たな学びを生む「学校横断型探究プロジェクト」
https://www.katariba.or.jp/magazine/article/report210702/

「ナナメの関係」ということですが、今の子どもたちは、自分が住んでいる近くの「コミュニティー」の人々より、遠く離れても「大学生」の方が、心を開きやすいのでしょうか?(匿名)

子どもによるとは思いますが、10代の特性として、近くにいる人こそ、かかわりが難しいと感じることが多いかもしれません。ただ、地域の中で、できるだけ接触頻度が高い距離感で、ナナメの関係が見つかると、本質的にはその子の人生の助けになるように感じています。

学校教育と社会教育の連携については、文部科学省が「学校支援地域本部事業」や「コミュニティースクール」等を展開し、鋭意取り組んできたところだと思います。それらをいわば補完するお取り組みと解釈してもよいのでしょうか?(滋賀県・その他)

「学校支援地域本部事業」にしても、「コミュニティースクール」にしても、導入している地域と導入していない地域があります。したがって、補完関係にある地域もありますが、オリジナルの取り組みとして展開している地域もあります。

不登校の子どもの約7割が学校に行くようになったという「シェア型オンライン教育支援センター」は、非常に興味深い取り組みだと思いました。導入にあたっての障壁(ヒト・モノ・カネ)があるとしたら、何でしょうか?(岡山県・教育委員会)

現在、プログラムを立ち上げたばかりで、試行錯誤中ですので、はっきりお答えをすることが難しいのですが、「モノ」はオンラインの居場所、「カネ」は2021年11月現在は無料という形ですので、導入障壁はあまりないのではないかと思います。「ヒト」については、例えばリアルの教育支援センターとオンライン教育支援センターをオンラインでつないで支援を行うという場合に、その人員をご手配いただくということが必要になってくるかと思います。
*詳細については、下記サイト(ページ最下部の「お問い合わせはこちら」)からお問い合わせいただけますと幸いです。

▼【ご参考】オンライン不登校支援プログラム(LINE相談窓口を設けています)
https://futoko.katariba.online/

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