息子は部活動には熱心に取り組んでいて、それはよいことなのですが、勉強をおろそかにしがちで、定期テストなども、対策をまともにせずに受けているため、成績が悪くて困っています。高校で友人達が増え、楽しいのは分かるのですが、高校生としてすべきことはしてほしいと思っています。
そこで、学習意欲を喚起するための声がけをしようと考えているのですが、
「勉強しなさい」などと口うるさくせずに、勉強に向かわせるようにするには、どうしたらよいでしょうか?

(質問者:新潟県/高1男子・父)

A学習意欲が高まらない理由を明確にした上で、今の勉強が将来につながるイメージを持たせる。

高校生が勉強に向かえない理由として、①勉強の先のゴールがない、②勉強しても、ゴールへの到達が難しいと思っている、③ほかに楽しいことがあるため、気分が乗らない、といったことが考えられます。

①の、勉強の先のゴールがない場合は、将来、どのようなことをしたいのかという「Doing」を聞いてみましょう。明確な答えが返ってこない場合は、どんな人になりたいかという「Being」を聞きましょう。なりたい自分「Being」は、したいこと「Doing」より、自由に答えられるはずです。そして、将来に関する会話ができる土壌をつくった上で、自分を客観視し、課題を自分事化するための質問を投げかけてみましょう。例えば、学習意欲の最大値が100としたら、今はどのくらいなのか、100になっていないのなら、その理由は何なのかを聞き、学習意欲が不足している原因を考えさせます。

②の、勉強しても、ゴールへの到達が難しいと思っている場合は、子どもの得意科目や、過去の成功体験を振り返らせましょう。それによって、努力して勉強すれば、成果に結びつくことをイメージできるようにします。

③の、ほかに楽しいことがあるため、気分が乗らない場合、それをやめさせようとするより、そのことについてたっぷり話をさせるのも1つの手です。例えば、ゲームであれば、ゲームのどのような点が面白いのか、今、最も夢中になっているゲームはどのようなものなのか、お子さんが好きな世界をたっぷり聞かせてもらいましょう。そのうち、「ゲーム機の性能をもっと上げる方法を自分なりに考えている」「自分でゲームを作りたい」などと、日々の学習や進路選択に関係しそうな話題になるかもしれません。その時を逃さず、将来したいことと勉強とのつながりについて、さりげなく伝えるとよいでしょう。

子どもが小さいうちはともかく、高校生の子どもに対して親ができることは、残念ながらそう多くはありません。でも、学びの環境づくりはできます。学力はもちろんのこと、人間としての成長もまだまだこれからですから、不安視し過ぎずに、お子さんの成長をぜひ楽しんでほしいと思います。