小学6年生の娘が、友だちから、自転車で30分かかる学区外の商業施設に遊びに行こうと誘われています。小学生の子どもだけでは危ないので、親としては断らせたいのですが、友だちの親の連絡先が分からないため、相談もできません。中学校、高校と進めば、そうしたことがあたり前になってくると思うと、子どもを信頼して任せるしかないのかと、もどかしく感じます。親離れの一歩だと思い、見守るしかないのでしょうか?

(質問者:埼玉県/小6女子・母)

A日頃の良好な親子関係が、悪い誘惑へのブレーキとなる

子どもの成長とともに、そうした不安は増えていく一方ですね。悩ましい気持ちはよく分かります。しかし、ご相談者も自覚されている通り、子どもはやがて親から離れ、目が届かなくなることが多くなります。その分、誘惑やリスクが増える中で、本当に危険な状況を回避するための安全装置となるのが、それまでに築いた親子の信頼関係です。
もしかしたら、万引きの誘いや、商業施設の近くにある刺激の強い場所に足を延ばそうといった危険な誘惑があるかもしれません。そうした場合でも、親子関係が良好であれば、子どもは、「自分のことを大事にしてくれているお母さん、お父さんを悲しませたくない」と思い、ブレーキをかけることができます。親子関係がうまくいっていないと、「どうせうちの親は私のことなんか心配していない」「心配している顔を見てみたいくらいだ」などと思って、危険な誘いに乗ってしまう可能性が高まります。保護者に大切にされていないと感じている子どもは、自分自身も大切にできない傾向にあり、悪い誘惑に弱いのです。

良好な親子関係を築くためには、普段から子どもに、否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉をたくさんかけるように心がけたいものです。「〇〇してくれて、ありがとう」「あなたと一緒にいられてうれしい」「大好き」といった、感謝や愛情などを表す言葉を積極的に伝えましょう。面と向かって話すことに抵抗がある場合は、SNSで伝えたり、誕生日などの特別な日に手紙で伝えたりするのもよいでしょう。

なお、個人情報の取り扱いが厳重になっている時代ですが、友だちの保護者の連絡先は、いざという時のために、できる限り入手しておきたいものです。授業参観や保護者会などで、連絡先を積極的に交換してみてはいかがでしょうか。