子どもの学力に鑑みると、もっと上の大学を目指した方がよいと、学校からアドバイスを受けました。ただ、現在の志望校は、幼い頃から一貫して子どもが夢見てきた大学です。もっと上の大学を目指させるべきか、子どもの希望を尊重すべきか、迷っています。子どもには、どうアドバイスしたらよいでしょうか?

(質問者:沖縄県/高3女子・母)

A大学卒業後まで見据えた上で、何を、どこで学ぶのがよいかを、いま一度よく考えさせる。

目標達成が確実なところまで努力を重ねてきたことは、とても素晴らしいことですね。まずはそのことを、十分に褒めてあげましょう。その上で、結論から申し上げると、志望校を考え直してみることをお勧めします。
なぜかというと、子どもの頃と現在とでは、見えている世界が違うからです。さらに社会も変わりました。なぜ、その大学に行きたいと思ったのか、その大学で何を学びたいのかを、親子で対話したり、紙に書き出したりしてみましょう。大学は、入って終わりではなく、入ってからが重要です。大学で学ぶことは、その先にある社会につながるものですから、いま一度、志望校の候補となりそうな大学がほかにないかを、よく考え、あった場合は、現在の志望校と比較してみましょう。助言した先生は、おそらくお子さんの現在の偏差値を見て、より難易度の高い大学を勧めたのだと思いますが、偏差値だけで志望校を決める必要はありません。お子さんが学びたいことを学べる大学を選ぶことが一番です。そうすることで頑張りも持続しますし、納得のいく受験になります。

志望校を考えさせる際は、「大学卒業後にはどんな世界に身を置きたいか」と、ゴールの先を聞いてみてください。次に、それを実現することができる大学はどこなのかを考えさせる(選ばせる)と、志望校決定が自分事化します。ポイントは、「〇〇大学に合格」といった目先のゴールを設定するだけではなく、その先にある目的や、漠然としていてもよいので、将来実現したいことまでを考えさせることです。「ゴールのさらに先」を考えることで、気持ちよくゴールを駆け抜けることができます。ぜひ、柔軟な思考とお子さんを信じる気持ちで、後悔のない進路選択の機会をつくってください。もちろん、再考した上で、やはり当初の志望大学を受験したいということなら、その気持ちを尊重しましょう。