うちの子は、宿題やそのほかの勉強を流れ作業でやっていて、1つの問題を深く考えてじっくり取り組むという姿勢が見られません。今、小学6年生なのですが、このままでは、中学校入学以降の勉強方法が分からなくなるのではないかと心配しています。これからも役立つような勉強の仕方を身につけてほしいのですが、どのようなことをすればよいでしょうか。

(質問者:東京都/小6女子・母)

Aまずは本人が興味を持っていることに、とことん熱中する体験を

勉強の仕方がたとえ機械的であっても、全く勉強しないよりはずっと好ましい状況だと思います。ですから、憂えるよりも、まずは勉強していたら褒めるように心がけるといいと思います。流れ作業のように勉強しているということは、学習内容に興味が湧かず、最低限のことをこなしているだけの状態なのかもしれません。ですから、1つのことにじっくり取り組む癖をつけるためには、本人が興味を持っている分野を深めることが一番です。

保護者はついどの教科も平均的に勉強させようとしたり、他の教科よりも成績が低い教科を重点的に勉強させたりしたくなるものです。苦手な教科を克服するという発想も分かりますが、将来にわたって必要な学びに向かう力を身につけるには、子どもが好きな教科や得意な教科にとことん熱中することが重要です。自分が好きな教科にじっくり深く取り組ませることで、他の教科にも通じる勉強の仕方や学びそのものの喜びを知ることができます。

1つのことをじっくり、とことん熱中する体験は、勉強でなくても構いません。絵を描いたり、地図をひたすら見たりするだけでもよいのです。好きなことに夢中になっていると、脳が活性化して処理能力が高くなります。いわゆる「地頭」がよくなるのです。また、自分がやりたいことを見つける力・意欲・やり抜く力などの非認知能力も高くなります。保護者の多くはテストの点や成績を上げることにはこだわりますが、地頭をよくしようとか非認知能力を高めようなどの発想を持っている人は少ないように思います。子どもが後伸びするためにはこの2つが大事であり、そのために一番いいのが熱中体験です。