

渡辺 健太
ベネッセコーポレーション 学校カンパニー 教育情報センター長
1979年奈良県生まれ。2002年ベネッセコーポレーション入社。大阪支社にて兵庫県の高校営業を担当し、2004年~岡山本社にて小論文・進路学習教材担当。小論文講演、キャリア講演、教員向け小論文・志望理由書研修会の実績も多数。2012年~北海道支社にて高校営業リーダー、2016年~中国・広州倍楽生副社長として4年間の海外駐在、2020年に帰国後、東京本部、大阪支社、北海道支社(2025年北海道支社長)を経て2026年4月より現職。
文部科学省は6月30日、「産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業の採択結果」を公表した。既に第2回申請時に採択が決まっていた2県(富山県、静岡県)を含めた合計38道府県の先導拠点75拠点とそれぞれの協力校が明らかになった。
公開された採択結果一覧では、各先導校・拠点の事業計画名称、予算規模、どの類型での指定かなどが確認できる。学科ごとの内訳も記載されており、普通科34校、工業科22校、農業科14校であった。
参考資料:高等学校教育改革促進基金:文部科学省
採択結果:令和7年度 産業イノベーション人材育成等に資する高等学校等教育改革促進事業 採択結果一覧(第1回から第3回申請分まで)
唯一、第2・3類型にまたがる先導校となった北海道有朋高校
類型ごとの内訳は、類型1(アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援):40校、類型2(理数系人材育成支援):19校、類型3(多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保):17校となった(※)。
※北海道有朋高校が2つの類型に指定のため、のべ件数は76件となっている。
今回発表された先導校の中で、唯一複数の類型にまたがる形で採択が決定した北海道有朋高校は、「多様な学習ニーズに対応した教育ネットワークモデルの構築 これからの経済・社会の発展につなぐことのできる理数的素養を有するイノベーション人材の育成」を掲げている。同校校舎内には、道内各地域に点在する小規模校に向けて遠隔授業を行う北海道高等学校遠隔授業配信センター(通称:T-base)が設置されている。このT-baseから授業配信を行っている道内の受信校35校に加えて、通信制協力校を含めた全道各地66校に協力校を置くことが決まった。現時点で決定している全国の先導拠点の中で協力校の数が最も多い点にも注目だ。
北海道有朋高等学校の渡辺淳一校長は、「先導校としては北海道有朋高校が選ばれた形となったが、通信制協力校及びT-base受信校の合計66校の先生方とともに、北海道の子どもたちが夢を地元でつかみ取ることのできる教育環境をつくっていきたい」と本事業を通じて実現したい思いを熱く語った。拠点校や協力校だけの事業ではなく、全道各校への広がりを描いた点も高く評価されたと推察される。
参考:北海道有朋高等学校https://www.yuho.hokkaido-c.ed.jp/
北海道高等学校遠隔授業配信センター(T-base)https://www.t-base.hokkaido-c.ed.jp/
今後の追加採択予定に注目
文部科学省は追加公募として7月下旬頃から受付予定で、今回採択がなかった自治体についても再申請に向けて文部科学省からの改善説明が始まっており、今後の高校教育改革の推進に向けて先導校等が決定していく予定だ。過去に類を見ない予算規模で注目される本事業が一過性の予算消化に終わらず、子どもたちの学びの保障につながること、また教師にとってもこれまで実現したかった指導環境の充実や、継続可能な仕組み化に生かされること、何より地域の教育力向上につながることを切に願う。


