ベネッセ教育総合研究所と東京大学の調査によると、日本の児童・生徒の学習時間は長期間にわたり低下傾向にあります。1日当たりの学習時間は、中学生で113分(令和3年)から88分(令和7年)に減少。小4~高3生までを見ても1日当たり18~25分の減少です。なぜ、学習時間は減少を続けているのでしょうか。

その要因は複合的ですが、①学校による宿題の減少②SNSやゲームや習い事等との時間の奪い合い③少子化による入試倍率の低下-などが考えられます。

高校や大学の現場では、「良い学校に入る」ために学習するという動機付けが、以前よりも難しくなったと言われます。受験以外にも学習するメリットを感じられるかどうか、さらには学ぶこと自体が楽しいと思えるかどうかが今まで以上に重要になってきたと言えるでしょう。

こうした背景を踏まえ、次期学習指導要領では児童・生徒一人一人が自らの興味・関心や個性に応じて学びに取り組み、学びの在り方を主体的に調整できるようにするためのさまざまな制度が検討されています。

学習時間の減少は、「学習とは何か」を私たちが問い直すきっかけになるのではないでしょうか。

(ベネッセ教育総合研究所 理事長・小村俊平)

出典「子どもの生活と学びに関する親子調査」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)

「日本教育新聞」令和8年4月13日号より

※本記事は「日本教育新聞」の連載コーナー「データで見るこども 教員 保護者」の内容をウェブサイト向けに再編集したものです。データをもとにした様々な教育トピックに関する解説を、隔週でお送りいたします。

小村俊平

ベネッセ教育総合研究所 理事長 教育イノベーションセンター長

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