高校で「総合的な探究の時間」という授業があるようです。子どもにその授業について聞き、非常に大切な学びだと思いましたが、我が子は自分なりの問いを立てたり、多様な視点で調査をしたり、文章にまとめて発表したりするといった、探究学習に関する一連の活動が苦手で意欲も沸かないようです。そういったことはすぐにはできるようになるとは思っていませんが、どのような努力をすればできるようになるのでしょうか。

(質問者:愛知/高1女子・母)

Aテーマと子どもの関心を結びつけるサポート役になる

小さな子どもは自分の好きなアニメや乗り物、キャラクターに関することならば、何時間でも飽きずに遊び、没頭します。学生や大人も、興味のあるものに対しては同じです。もし、探究学習への意欲が湧かないのならば、それは設定している課題が子どもの興味・関心と合っていないことが原因と考えられます。学校現場における探究学習は非常に意義深い取り組みですが、難しさもあります。例えば、私が探究学習で世界的に注目されているアメリカの高校を視察した時の話ですが、その高校では、歴史の授業で第二次世界大戦が起きた原因を扱っていました。しかし、テーマが大き過ぎたせいか、生徒はその課題を自分事として捉えることができず、当初は興味を示しませんでした。そこで授業で教員が粘り強く生徒への問いを重ね、「人はなぜ争うのか」という課題にたどり着いて初めて、生徒は興味を持つようになりました。それほど探究学習における課題の設定は難しく、軌道に乗るまでに時間がかかるのです。

探究学習で取り組む課題は学校が決めることもあり、その場合は課題は変えられませんから、子どもの興味・関心を設定された課題にどう近づけるかを一緒に考えるとよいかと思います。プログラミングで動くロボットを作るという取り組みを例に考えると、プログラムを書くことだけでなく、部品やロボットのデザイン、発色、駆動と制御など、着眼点は無数に存在します。保護者は子どもの普段の様子や子どもとの会話などを通して、どの切り口が子どもの興味・関心に近づけられそうか、接点を見つけるサポート役になりましょう。接点が見つかり、子どもが主体的に学び始めれば、調査やまとめ、発表といったスキルは後から自然に身につきます。