GIGAスクール構想により1人1台端末が実現する中、デジタル機器の学習効果についてさまざまな議論が交わされています。OECDが実施する国際的な学力調査PISA2022では、学校でデジタル機器を使って学習した時間と数学的リテラシーの関係について、興味深い分析が行われました。
これによると、学校での学習活動にデジタル機器を1日5時間以内の範囲で使用した生徒は、全く使用しなかった生徒や、5時間以上使用した生徒より、スコアが約20ポイント高いことが明らかになりました。デジタル機器を「中程度」使用した生徒の成績が高くなる傾向は、PISA2012でも確認されており、OECDはデジタル機器の「適切な使用」が効果的であると、改めて強調しています。
この分析は数学的リテラシーに限ったものですが、デジタル機器の適切な使用量を考えることは、どの学習活動でも重要です。4月に始まった「デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議」でも、主要な論点の一つとなっています。
さまざまな学習ツールをどこで、どれだけ用いるのが効果的か、ベストバランスを模索していくことが大切ではないでしょうか?
(ベネッセ教育総合研究所 渡邊直人、佐藤昭宏、小村俊平)
「日本教育新聞」令和8年5月18日号より
※本記事は「日本教育新聞」の連載コーナー「データで見るこども 教員 保護者」の内容をウェブサイト向けに再編集したものです。データをもとにした様々な教育トピックに関する解説を、隔週でお送りいたします。

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