
スマートフォン上のSNSのアイコン=2025年12月、シドニー(AFP時事)
【シドニー時事】オーストラリアで16歳未満の子供のSNS利用禁止措置が昨年12月に施行されてから10日でちょうど半年。SNS運営企業は該当者のアカウント停止に努めてきたが、子供たちは年齢を詐称したり、年長者に名義を借りたりして利用を続けている。政府は抜け道を残したまま業界に対応を任せ、いたちごっこが繰り返されている。
禁止措置はSNS企業に16歳未満の接続阻止を義務付け、違反すると最高4950万豪ドル(約56億円)の罰金を科すと規定。子供や保護者に対する罰則はない。
インスタグラムやユーチューブなど禁止対象となったSNS企業は既に延べ500万件以上のアカウントを停止した。しかし、豪民間団体ユースインサイトと英モリー・ローズ財団が今年3月に実施した合同調査によると、施行前にSNSアカウントを保持していた12~15歳のうち61%が「施行後も使い続けている」と回答。同財団は「禁止措置の実効性に重大な疑義がある」と訴える。
セキュリティー対策などに用いられる仮想プライベートネットワーク(VPN)によって、国外からの接続を装う子供もいる。ただ、VPNの多くは有料だ。このため、お金をかけず、虚偽の生年月日を申告したり、16歳以上の親族らの名義を借用したりしてアカウントを新設する手法が横行している。SNS側は顔認証で対抗しているものの、ある少年(14)は「自分の顔で通過できた。兄や姉の顔を使う友達もいる」と証言する。
規制当局の電子安全委員会は「SNS企業の対応は不十分だ」と責任を転嫁。罰金の可能性をちらつかせて厳格な運用を迫っている。別の少年(15)は「禁止措置は穴だらけ。むしろSNSの安全対策が進まないことの方が心配だ」と語った。


