フリースクールの生徒にとって、自分に合った学習の進め方を考え、振り返ることは重要です。
そこで、ベネッセ教育総合研究所は、フリースクールに通う中学生を対象に、AIのフィードバックによって、振り返りの記述がどのように異なるかを調べました。生徒を、AIが定型のあいさつのみを返す「あいさつのみ群」、生徒の記述に応じてヒントを示す「ヒント提示群」、例文を示す「例文提示群」の三つに分けました。
その結果、夕方の振り返りで、「何をしたか」「その理由」「自分の状態や取り組み方」「次に工夫すること」「次の行動」の5観点のうち、少なくとも一つを書けた日の割合は、ヒント提示群と例文提示群で高い値を示しました=図1。生徒の記述に応じたAIのフィードバックが、振り返りを書き始めるきっかけになったと考えられます。
一方、「何をしたか」を具体的に書けた日の割合は、例文提示群が最も高くなりました。具体例を示すフィードバックが、生徒自身の行動を具体的に言葉にすることを促した可能性があります=図2。ただし、AIだけで支援が完結するわけではありません。AIによる支援と教員による丁寧な見取りを組み合わせることで、主体的な学びを支えられるのではないでしょうか。
(ベネッセ教育総合研究所 主任研究員 野﨑友花)
注1: 図1・図2の数値は、振り返りを記入できた日の割合を生徒ごとに算出し、各群の平均値を示したものである
※ベネッセ教育総合研究所・ベネッセ高等学院「AIを活用した自己調整支援に関する研究(2026)」
「日本教育新聞」令和8年10月26日号より
※本記事は「日本教育新聞」の連載コーナー「データで見るこども 教員 保護者」の内容をウェブサイト向けに再編集したものです。データをもとにした様々な教育トピックに関する解説を、隔週でお送りいたします。



