
チュニジア戦でプレーする伊藤洋輝選手=20日、メキシコ・モンテレイ

チュニジア戦でプレーする後藤啓介選手(右)=20日、メキシコ・モンテレイ

サッカー日本代表の後藤啓介選手(右)と山本幸司さん(山本さん提供)

サッカー日本代表の伊藤洋輝選手(左)と山本幸司さん(山本さん提供)
磐田東高校(静岡県磐田市)の教諭、山本幸司さん(50)には、サッカーのワールドカップ(W杯)日本代表選手に2人の教え子がいる。いずれもジュビロ磐田の下部組織でプレーしながら同校に通ったDF伊藤洋輝選手(27)とFW後藤啓介選手(21)。チュニジア戦では同時出場を果たした。
「洋輝と啓介は全く違う性格だった」。山本さんは2人についてこう振り返る。
山本さんによると、「模範生タイプでマイペース」だったのは1、2年で担任をした伊藤選手。授業を集中して聞くだけでなく、自習時間中も周囲と机を離し、1人で黙々と勉強していた。年代別代表の遠征などで欠席も多かったが、所属コースの生徒約160人の中で常に20位以内の成績を維持した。冷静で前に出て騒ぐことはなく、クラスでも落ち着いた存在。体育を指導していた山本さんにプロテインの選び方や飲むタイミングを相談することもあった。
一方、1年の時に担任をした後藤選手は「目立ちたがり屋」だった。体育のウオーミングアップで走る際はトップを独走。短距離走や長距離走でも、周囲を圧倒するスピードを見せた。体育大会では率先してリレーなどの戦略を練り、クラスで着るTシャツの色も自らの主張を押し通した。「とにかく前に出るタイプ。ポジションと一緒ですよ」と山本さんは笑う。
在学中にJリーガーとなり、デビュー戦で2得点した翌日には「見た?見た?」とスマートフォンを手に自身のプレー映像を周囲に見せて回った。山本さんが毎月、「最高の瞬間は常に未来にしかない」などと黒板に書く格言を楽しみにし、月が変わるたびに「次は?」と尋ねていたという。
伊藤選手も在学中にプロ入りしており、2人はいずれも卒業を待たずに転校した。それぞれに手作りの卒業証書を渡したという山本さんは、その後も2人と交流を続けている。
21日のチュニジア戦を浜松市のスポーツバーでそれぞれの同級生らと観戦した山本さん。試合終盤、代表最年少の後藤選手が途中出場すると感極まって涙が出た。1年前に自宅に招き、食事を共にした時に聞いた「W杯しか考えていない」との決意を思い返したという。
山本さんは「次は、洋輝のパスに啓介が合わせる。そんな得点を期待したい」と語った。


