子どもは、全国大会出場などの実績はありませんが、本人なりに、毎日一生懸命、部活動に取り組んできました。大学の総合型選抜(旧AO入試)で、部活動のことをアピールするとしたら、どのようなことをアピールするとよいでしょうか。

(質問者:和歌山/高3男子・母)

A部活動での特定の状況や事柄を一般化して、他のことに応用することができた経験があれば、それは好材料となる。

大学教員でもある私が、アスリート系の人材を選抜するとしたらと仮定して、お話しします。入学してほしいと思うのは、運動能力に優れた選手、そして、競技の裏方の役割を担うことができる人です。後者は、優れた成績を収めた選手がいたら、その選手の傾向や特徴を分析し、「こういうタイプの選手には、こういう練習方法が効果的」「こういう精神状態の時は、こういう声かけをするとよい」などと、選手を伸ばすための方法を一般化できる力を持っている人です。そうした人材がいれば、チーム内に特別に強い選手がいなくても、チーム全体を底上げさせることができますから、貴重な存在です。
そのような、特定の状況や事柄を一般化して、他のことに応用できる能力が重宝されるのは、アスリートの世界だけではありません。大学での専攻分野において研究活動を進めたり、社会に出てから指導的な役割を果たしたりする際にも必要となる力ではないでしょうか。高校時代に部活動で華々しい成績を収めていなくても、部のメンバーとして、部全体の力を高め、自分たちが引退した後も役に立つような練習方法や、チームを動かす仕組みを生み出すことができていたら、そのことは、競技でよい成績を収めることと同等以上に、アピール材料になることと思います。