子どもが自律的に学ぶために、親はどのように関わるとよいでしょうか。

心理学研究では、親の関わりは一律に良い効果をもたらすわけではなく、子どもが支援と感じられる関わりは学習意欲を高める一方、管理や統制と受け取られると逆効果になるとされています。そこで、小学校高学年から高校生までの調査データを用いて自律的に学習している層とそうでない層の関わりを比較しました。

小学校高学年では、自律的に学習している層ほど、「努力を認め、決定を尊重する」「学ぶ意味や面白さを伝える」といった支援的な関わりが多く、「勉強しなさいと叱る」などの管理的な関わりは少ない傾向が見られました。一方、自律的でない層も支援的な関わりは受けているものの、同時に管理的な関わりも多く見られました。

さらに成長に伴う変化を見ると、両層において宿題の手助けなど直接的な関わりは減少しますが、自律的でない層では高校生になっても管理的な関わりが続く傾向が確認されました。これらの結果は、関わりの量ではなく、関わりの質が重要であることを示しています。

子どもの成長に合わせて関わり方を見直すことが、自律的な学習につながる一歩になります。

(ベネッセ教育総合研究所 主席研究員 佐藤昭宏)

※自律学習の層化にあたっては「人に言われなくても自分から勉強する」(子ども票)の「(とても+まあ)あてはまる」と「(あまり+まったく)あてはまらない」の回答を利用した。
※子どもの学習への保護者の関わりに関する数値は、関連項目に対して探索的因子分析を行い、その結果をふまえて作成した合成変数(2点~8点)の平均値。
ベネッセ教育総合研究所・東京大学社会科学研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2025

「日本教育新聞」令和8年6月1日号より

※本記事は「日本教育新聞」の連載コーナー「データで見るこども 教員 保護者」の内容をウェブサイト向けに再編集したものです。データをもとにした様々な教育トピックに関する解説を、隔週でお送りいたします。

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