デジタル教科書を正式な教科書と位置付ける法案の審議が進んでいます。文部科学省は、紙とデジタル双方の特長を生かす方針を示しており、これを巡る議論においても、教育活動の目的に応じて「適切」に使い分けるべきとの意見が主流です。しかし、その判断が教える側の視点に偏っていないかは注意が必要です。
心理学研究では、同じ指導でも、学習者の特性や特徴によって学習効果が異なることが指摘されています。
ベネッセ教育総合研究所では、中学生1,985人を「成績」と「学習スタイル」(今回は学校で学んだことや興味のある内容を自ら調べる「興味・関心」起点の学習スタイルの高低)の軸で4類型に分類、どのタイプの生徒がデジタル機器を用いた学習を「自分に合っている」と感じているか確認しました。その結果「成績低」×「興味・関心高」のタイプで、最も評価が高い傾向が確認されました。
この結果は成績に課題がある生徒でも、デジタルを活用し興味・関心を引き出す授業によって学習効果を高められる可能性を示しています。
「深い学び」の実現に向けた紙とデジタルの最適なバランスは、教師と生徒双方の立場から検討していくことが求められます。
(ベネッセ教育総合研究所 主席研究員 佐藤昭宏)
「日本教育新聞」令和8年6月1日号より
※本記事は「日本教育新聞」の連載コーナー「データで見るこども 教員 保護者」の内容をウェブサイト向けに再編集したものです。データをもとにした様々な教育トピックに関する解説を、隔週でお送りいたします。

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